デンマーク発のスポーツブランド「ヒュンメル」は、B.LEAGUE所属の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(名古屋D)と共同で制作した点字シャツの売上の一部と、選手着用シャツのオークション収益を、ディスレクシア協会名古屋と社会福祉法人名古屋ライトハウス情報文化センターに寄付しました。
この点字シャツは、2023年秋に名古屋Dを含む5つのB.LEAGUEチームとヒュンメルが共同で制作したチャリティーアイテムです。目の見えない人も、見える人も、手をたたいて声援を送る姿をイメージし、シャツの裾部分に指先で感じられる凹凸の点字加工でクラブ名を表しています。販売収益の一部は、各クラブのホームタウンエリアにおける視覚障がい者支援に役立てられています。
昨年10月の着用と販売、選手着用シャツのオークションを経て、6月20日に両団体へ寄付金と名古屋Dバージョンの点字シャツが贈呈されました。
贈呈式では、株式会社エスエスケイの斎木英志氏が、「今回の点字シャツの寄付は、私たちスポーツから皆さまへのパスだと思っています。次はアリーナでお会いできることを楽しみにしています」と挨拶。今回の寄付金は、発達性ディスレクシアと視覚障がいの双方で利用可能なICT機器の購入や講演活動に活用されます。
発達性ディスレクシア(発達性読み書き障がい)とは、音読や書字の習得などに困難がある学習障がいです。見た目では分からず、本人のやる気や家庭の問題だと誤解されることも少なくありません。ディスレクシア協会名古屋の吉田優英さんは、「統計では、人口の8%がディスレクシアだといわれています。まずは今回のことをきっかけに、ディスレクシアについてより多くの人に知ってもらいたいと思います」と訴えました。
名古屋ライトハウスの岩間康治さんは、「当施設では10年近く前からディスレクシアの方にも利用いただいており、近年では、タイピング体験や音声図書を利用される方が増えています。今回の点字シャツは非常に興味深いアイテムで、館内に飾って多くの人に見てもらったり、イベント時に着用するなど、活用できればと思います」と話しました。
贈呈式には、名古屋ライトハウスのスタッフも参加し、点字シャツを着たり、名古屋Dの公式マスコット『ディーディー』と触れ合う時間を設けました。全盲のスタッフからは、「服についている点字は初めてで新鮮」「チーム名が英語で書いてあるね」「ディーディーと握手でコミュニケーションできてよかった」など、喜びの声が聞かれました。
名古屋Dが行う社会貢献プロジェクト『ドルフィンズスマイル』を担当する須賀綾乃さんは、「私たちは、『ファンの皆さまが楽しみながら参加したら社会貢献活動につながっている』という仕組みを大切にしています。今後も、ディスレクシア協会名古屋、名古屋ライトハウス情報文化センターの皆さまと地域の社会課題解決に向けた取り組みを続けていきたいです」と話しました。
今回の点字シャツによる寄付は、スポーツを通して社会貢献を行う素晴らしい取り組みと言えるでしょう。今後も、スポーツ界から地域社会への貢献が期待されます。