ウクライナの希望、武蔵野大学での修了セレモニー
2025年9月19日、東京都江東区の武蔵野大学有明キャンパスにて、ウクライナからの避難民、モルスカ リリアさんの修了セレモニーが執り行われました。リリアさんは、2022年9月に日本に避難し、言語文化研究科のビジネス日本語コースの修士課程を無事卒業しました。このセレモニーには学長の小西聖子氏をはじめとする大学関係者が出席し、リリアさんの成長を祝いました。
学びの道のり
リリアさんは、2022年に日本に渡り、まずは武蔵野大学のランゲージセンターで約1年間の日本語学習を経て、2023年に大学院進学を果たしました。その研究テーマは「ウクライナ侵攻下の学習行動変容から検討する日本語教育施設運営」で、実際にウクライナ人の日本語学習者120名を対象にアンケート調査を行い、戦争が学習の動機に与える影響を探求しました。
リリアさんの研究では、戦時下における学習者に必要なサポートや学習環境についての重要な知見が得られました。特に、母国語によるサポートや高品質な教材への需要の高さが明らかとなり、学び続ける力強さを評価される結果となりました。
セレモニーの内容
修了セレモニーは厳かな雰囲気の中で行われ、開式の辞、修了証の授与、学長の挨拶、学生の挨拶、そして最後に集合写真撮影といったプログラムで構成されていました。リリアさんは、渡された修了証を胸に、感激の思いをあふれさせていました。彼女にとってこの瞬間は、3年間の努力と情熱に対する大きな成果となったことでしょう。
未来への展望
リリアさんは今後、得た経験や研究成果をもとに、言語教育や国際交流の分野での活動を広げる意向を示しています。また、現在運営しているオンライン日本語教室においては、ウクライナ在住の日本語学習者や新たに日本に来た避難民向けに授業を行っており、これからもその事業の拡大を目指すと語ります。
武蔵野大学の支援
武蔵野大学では、ウクライナ避難民を受け入れるために多くの支援体制を整えています。具体的には、渡航費用や生活準備費用のサポート、寮費の免除、さらに毎月の生活費や授業料全額免除といった包括的な支援プロジェクト「日本・ウクライナ教育パスウェイズ」のもとでリリアさんを受け入れました。このような取り組みは、平和と教育の重要性を示す良い一例であり、これからも続けていくつもりです。
結び
リリアさんの修了は、ただの個人の成果ではなく、戦争の影響を受けながらもなお学び続ける全ての人々への希望の象徴でもあります。彼女の前向きな姿勢は、私たちにとっても大切なメッセージを発信しており、今後の活躍が大いに期待されています。