2025年1月22日に、特定非営利活動法人日本医療政策機構(HGPI)主催で専門家会合「個別化精神医療の実現に向けて求められるイノベーション」が開催されます。この会合は、精神疾患の治療と支援に関する最新の情報を共有し、効果的なアプローチを模索することを目的としています。
精神疾患は、国や地域を問わず、多くの人々に影響を与える重要な社会課題です。日本においても、精神疾患の患者数は2017年には約419.3万人に上り、5大疾病の中では最も多いという現実があります。この数字は、精神疾患がいかに広く普及しているかを物語っています。しかし、精神医療の現場では、さまざまな課題が山積しています。治療法が統一されていないため、患者ごとに最適な治療法を見つけ出すことが難しいのです。バイオマーカーがないなど、客観的な評価指標の欠如も問題に挙げられます。
最近では、精神疾患を単に診断基準に基づいて分類するのではなく、患者をあらゆる視点から理解する「ディメンショナルアプローチ」が求められています。そして、この流れの中で「個別化精神医療(precision psychiatry)」の重要性も高まっています。これは、患者の遺伝子や病状、さらには環境に配慮した、個々に最適化された医療を提供することを目指しています。
国内外で多くの研究と実践が進められている中、これらの取り組みをさらに発展させていくためには、アカデミアだけではなく、企業や患者、その家族、そして支援者など、多様なステークホルダーの有機的な連携が不可欠です。
今回の会合では、このような背景を踏まえ、個別化精神医療の実現に向けた具体的な取り組みや、そのための方策について多角的に議論します。参加者には、精神医療の最前線で活躍する専門家たちが揃い、基調講演やパネルディスカッションを通じて非常に有意義な意見交換が行われる予定です。
会の具体的なプログラムには、参議院議員自見はなこ氏による開会の辞、ジョンズホプキンス大学の澤明教授による基調講演、国立精神・神経医療研究センターの中込和幸理事長の講演が含まれています。さらに、著名なパネリストたちによるディスカッションも予定されています。
この会合は、ハイブリッド形式(対面・オンライン)で行われますので、関心のある方々は奮ってご参加ください。参加費は無料ですが、会場参加希望者は1月20日までに事前登録が必要です。詳細は、HGPIの公式ウェブサイトを参照してください。
心の健康に貢献するためのこの重要な会合に、ぜひご参加を検討してみてください。