漆の美と独自の世界を巡る個展「うるし讃歌」
銀座のセイコーハウスホールにて、漆芸家・並木恒延氏による自選回顧展「うるし讃歌」が開催されます。この個展は、5月9日(金)から18日(日)までの期間、並木氏にとって4年ぶりの個展であり、通算9回目の展示となります。彼の才能を感じさせる作品が70余点並ぶ中、特に注目されるのが彼のライフワークである人物表現です。
並木氏は、蒔絵、螺鈿、卵殻といった伝統的な漆芸技法を駆使し、独自の表現を展開してきました。今展では、レオナルド・ダ・ヴィンチの名作『モナ・リザ』に挑戦。その微かな微笑を、油彩画ではなく、漆の技法であるグラデーションを用いて繊細に表現しています。彼の手による細やかな仕上がりが、訪れる人々の心を打つことでしょう。特に、顔の表情だけでなく、両手の動きや存在感エネルギーを強く感じられる作品です。
展示される作品の中には、並木氏の代表作である『瀑布』や『時の流れに』などの100号の大作も含まれています。これらの作品は、漆のパネルによって造られたものですが、そのサイズや豊かな色彩が、彼の技術と芸術的な視点を物語ります。また、中小作品や立体作品としての器も展示され、幅広い表現が楽しめます。彼の作品はどこか日本人の琴線に触れるもので、雄大な風景や自然の美しさが巧みに描き出されています。
並木恒延のプロフィール
並木恒延氏は1949年に東京都羽村市で生まれ、1973年に東京藝術大学工芸科デザイン専攻を卒業しています。その後、1977年には東京藝術大学大学院の漆芸講座を修了し、いずれも彼の名高い経歴の一部です。彼は髙橋節郎氏に師事し、2008年には文化庁特別派遣在外研修員としてイタリアに留学しました。さらに、2018年には『月出ずる』の作品で第75回日本芸術院賞を受賞。また、東京藝術大学や国立工芸館、伊勢神宮、薬師寺など、彼の作品は多くの重要な機関に収蔵されています。
展覧会詳細
- - 期間: 5月9日(金)~18日(日)
- - 会場: セイコーハウスホール
東京都中央区銀座4-5-11, セイコーハウス 6階
- - 入場料: 無料
- - 営業時間: 11:00~19:00 (最終日は17:00まで)
- - 休業日: 無休
- - お問い合わせ先: 03-3562-2111(代表)
この素晴らしい個展を通じて、並木恒延氏の芸術の世界をぜひご堪能ください。彼の繊細で力強い作品が、皆様をお待ちしています。最新情報や詳細は、和光の公式ホームページやインスタグラムをご覧ください。