週休3日制度がもたらす生産性向上の可能性
2025年5月、ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパンがアジア5地域を対象に実施した意識調査によると、週休3日制度が生産性向上につながるとの回答が日本でも54%を超えています。この結果は、週休3日制の導入がビジネスパーソンにとって懸念よりも期待感を抱かせるものであることを示しています。
調査の背景と結果
今回の調査は、日本、中国、香港SAR、マレーシア、シンガポールのアジア5地域で行われ、特に中国が73%という高い支持を集めたことが印象的です。香港SAR(69%)やマレーシア(65%)も続き、アジア全体で短時間働くことへのポジティブな意識が浮き彫りになっています。
ヘイズ・ジャパンのグラント・トレンズマネージング・ディレクターは「週休3日制は、効率性を追求するプロフェッショナル層のニーズに応えています」と述べ、44%のビジネスパーソンが現状のワークライフバランスに不満を持っているとのデータも紹介しています。
否定的意見もあるが...
調査に対する否定的な意見も見られますが、全体のわずか9%が「業務量が多すぎる」と懸念を示した程度です。「柔軟な働き方をしているため影響は少ない」との回答は2%に過ぎず、「職種によって影響の度合いが異なる」との見解も35%に留まっています。このことからも、週休3日制に対する支持が強いことが窺えます。
国際的な取り組み
週休3日制はすでに海外でも注目されており、イギリスのパイロットプログラムではこの制度が導入された企業で欠勤や離職率が低下したケースも報告されています。日本においても、2021年に政府から提案があり、一部自治体では2024年度から導入される予定です。
グラント氏は「従業員のウェルビーイングを向上させる施策が、採用や定着にプラスに働く」と指摘し、実際に35%のビジネスパーソンが転職先を選ぶ際にこのような施策を重視していることを示しています。また、40%は現在の企業にとどまっている理由がワークライフバランスの良さにあるとのことです。
経済面での影響
週休3日制は生産性向上だけでなく、企業の運営コスト削減にも影響を及ぼします。オフィスを週1日閉鎖することで光熱費などを削減し、ESG(環境・社会・ガバナンス)目標にも寄与することが期待されます。
変わりゆく働き方
現在、正式に週休3日制を導入している企業は少ないものの、変化の兆しは見えています。東京都ではすでに先進的な取り組みが始まっており、都庁職員向けに週休3日制が導入されています。さらに幼い子どもを持つ親向けの柔軟な勤務制度も新設され、働き方の改善が進んでいます。
グラント氏は「データが増える中で、企業はどう持続可能な形でこのモデルを取り入れるかが重要になる」と語り、変化する雇用市場において競争力を維持しつつ、この制度を支える戦略が求められると締めくくりました。
調査概要
- - 調査期間:2025年5月
- - 調査方法:オンラインアンケート調査
- - 調査機関:自社調査
- - 有効回答数:458サンプル
ヘイズの紹介
ヘイズは、グローバルな人材サービスを提供する専門の人材紹介会社であり、33か国・地域においてハイスキル人材サービスを展開しています。ヘイズ・ジャパンは日本法人として2001年に設立され、様々な専門分野に特化した支援を行っています。公式Webサイトは
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