慢性疼痛とその影響
慢性疼痛は、日常生活に深刻な影響を及ぼす身体的な問題です。このたび、理学療法士の技術を駆使する株式会社理学ボディが実施した「慢性疼痛に関するアンケート調査」により、痛みを抱える多くの人々の実態が浮き彫りになりました。
調査の概要
株式会社理学ボディでは、約1万8千人を対象に慢性疼痛の実態についての調査を行いました。対象となった人々の多くは、肩、首、腰に慢性的な痛みを抱えており、その改善が求められていることが明らかになりました。
調査対象は、初回来店時に協力を得た全国91店舗の顧客で、有効回答数は18,584人。調査は2022年3月1日から2025年1月31日まで行われ、調査協力には大阪河﨑リハビリテーション大学の今井亮太講師が関与しています。
慢性的な痛みの影響
調査結果によると、慢性疼痛のある人の56%が3カ月以上痛みに悩まされており、その中で約半数が1年以上も不快な痛みを我慢しています。特に、肩、首、腰に痛みを抱える人が多く、それぞれの痛みが日常生活や仕事に多大な支障をきたしています。これにより、労働生産性が低下することや、失業につながる危険があるため、慢性疼痛は社会保障上の重要なリスク要因とも言えるでしょう。
医療機関の利用状況
慢性疼痛を抱える方々の74%が医療機関や整骨院等を受診した経験があると回答しており、そのうち約44%が医療機関に通院しています。しかし、受診した医療機関でリハビリテーションを受けた経験がある人はわずか48%で、多くの患者が必要な医療を受けていない状況が浮かび上がりました。これにより、リハビリが適切に提供されていない現実が明かされ、改善の必要性が強く求められています。
生活の質を向上させるために
調査の結果から、実に76%の患者が日常生活の質を改善したいと希望していることがわかりました。多彩な日常活動が制限されていることから、痛みが軽減されることで得られる生活の質の向上が重要視されています。実際の声としては、「運転が辛い」「立っているのが苦痛」といったリアルな体験が寄せられ、その支障の影響が強調されています。
社会保障と経済的影響
慢性疼痛は個人の健康問題に留まらず、労働生産性の低下や社会保障費の増加といった経済的な問題を引き起こしています。日本における慢性疼痛による経済損失は年間約1.9兆円にのぼり、その内訳の多くは間接的な損失に起因しています。適切な疼痛管理とリハビリテーションの導入は、患者の生活の質を高めるだけでなく、社会全体の経済的負担の軽減にも寄与すると考えられます。
まとめ
今回の調査を通して、慢性疼痛に対する治療体制の改善が必要であることが再確認されました。理学ボディは最新の医学的知見を生かし、痛みに悩む方々がより健康で過ごしやすい生活を送れるよう支援しています。痛みを持ち続けることは生活のクオリティを著しく低下させるため、社会全体での理解と支援が求められるのです。今後もさらなる調査や教育活動を通じて、慢性疼痛に対する認識と対策が進むことが期待されます。