マイクロウェーブファクトリー株式会社(MWF)は、総務省が令和6年度から新たに実施する電波資源拡大のための研究開発提案に、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)と共同で提案し、採択されました。
MWFが提案したのは、「低軌道衛星と地上端末直接通信における周波数共用を可能とするナローマルチビーム形成技術の研究開発」です。この研究開発は、アンテナ素子を搭載した多数の小型衛星を軌道上に打ち上げ、それらを宇宙空間上にて位置と姿勢を制御することで、大口径のフェーズドアレイアンテナを構築することを目指しています。
次世代移動通信システム(Beyond 5G / 6G)では、地上、海上、空中、僻地、宇宙へと通信エリアの拡大が期待されています。特に日本は、山岳が多く海洋に囲まれた環境のため、従来の移動通信システムのネットワークでカバーされていない地域が多く存在します。そのため、HAPS(高高度プラットフォームステーション)、GEO(静止軌道衛星)、LEO(低軌道衛星)といった衛星通信による非地上系ネットワーク(NTN)が注目されています。
MWFは、本研究開発によって、スマートフォンなどの地上端末と直接通信を実現し、新たなモビリティ社会の発展に貢献したいと考えています。これまでNTN分野において高利得レンズアンテナなどの開発を行ってきたMWFは、今回の研究開発で培った技術を活かし、大口径のフェーズドアレイアンテナを構築するためのアンテナ素子を開発することで、マルチビームを用いた地上との直接通信を実現し、周波数の空間利用効率向上など、電波資源の有効活用に貢献していきます。