防災対策の現状と課題
セーフィー株式会社が実施した「自治体の防災対策に関する実態調査」により、防災業務に従事する自治体職員が直面する課題が明らかになりました。本調査は、609名の聴取を行った結果、約300名が防災業務に関わる職員という実態を反映しています。近年の自然災害の頻発化に伴って、事前防災の重要性が高まる中で、実際の準備体制には大きなギャップが存在することが浮き彫りとなりました。
理想と現実のギャップ
調査では、自治体の85.1%が「事前防災」の重要性を認識しているものの、実際に「十分に対策できている」と回答したのはわずか8.7%でした。これは、関係者が事前防災の重要性を理解しつつも、実行に移すための準備ができていない状況を示しています。特に、政府の「骨太の方針2025」による「ハード・ソフト一体の事前防災推進」策が進む中、このギャップは深刻な問題として浮上しています。
防災対策を推進する際の障壁
調査の結果として、人員が不足していることが防災対策を推進する際の最大の壁として浮き彫りとなりました。自治体職員の40.5%が「人員の不足」をボトルネックとして挙げ、52.2%が「事前防災」における主要な障害と認識しています。予算が確保されていても、実行に移すための担当者が足りていないという深刻な現状が伺えます。
ウェアラブルカメラの期待
その中で注目されているのが、ウェアラブルカメラの導入です。調査では、29.8%の自治体が今後実施したい施策としてウェアラブルカメラの導入を希望しています。この技術は、職員が実際の現場において視界を共有できるため、少人数で広範囲をカバーできる利点を持つとされています。これまでの「定点観測」から「視界の共有」へと進化することで、効率的な情報把握が可能になると期待されています。
専門家のコメント
内閣官房 防災庁設置準備室の箕打正人氏は、防災庁の役割がましたいま、事前防災の推進に重要な役割を持ち続けるとおっしゃっています。「徹底した事前防災を行うためには、カメラ映像の活用が欠かせない」とし、その中で企業との連携を強化していくことの重要性を強調しました。
住民の防災意識と情報提供の課題
さらに、調査では住民の防災意識も調査され、約65.4%の自治体職員が住民の意識は十分に進んでいると回答する一方で、27.5%が不十分だと感じている状況が見受けられました。このことから、自治体は住民に対する防災・災害対策の情報提供を更に工夫し、啓発する必要があることも明らかとなっています。
このように、全国各地の自治体において防災対策は一層重要視されていますが、それを支える人材不足の解消にはさらなる取り組みが求められています。ウェアラブルカメラがその解決策の一つとなることに、期待が集まります。