ヤマト運輸、温室効果ガス排出量の算定サービスを開始

ヤマト運輸が温室効果ガス排出量提供サービスを発表

ヤマト運輸株式会社が新たに「温室効果ガス排出量提供サービス」を開始することを発表しました。このサービスは、法人向けの「ヤマトビジネスメンバーズ」に登録した企業を対象に、宅急便などの輸送工程で発生する温室効果ガス（GHG）を算定し、レポートとして提供します。これにより、企業は自社のGHG排出量を正確に把握し、効率的にサステナビリティ情報を開示できるようになります。

サービスの概要

新サービスは2025年11月18日から提供され、対象となるのはヤマト運輸と法人契約を結んでいる顧客で、ヤマトビジネスメンバーズに登録している必要があります。算定対象商品には、宅急便や宅急便コンパクト、EAZYが含まれ、国内（離島を除く）からの荷物が対象です。排出量の算定方法は、国際規格ISO 14083:2023に準拠しており、より現実に即したGHG排出量の算定を実現します。

算定方法と提供形態

温室効果ガスの算定には、燃料使用量からGHG排出量を算定する「燃料法」や、燃費と輸送距離に基づいて排出量を算定する「燃費法」が用いられます。これらの方法に基づいた算定は、第三者機関による妥当性評価を受けたもので、信頼性も高いものとなっています。算定結果は、1ヶ月単位で集計され、「温室効果ガス排出量レポート」として顧客に提供されます。これらのレポートは、ビジネスメンバーズのサイトからPDFまたはCSV形式でダウンロード可能です。

背景と重要性

現在、気候変動への対策は国際的な課題として重要視されており、多くの企業がGHG排出量を実質ゼロにすることを目指しています。サプライチェーン全体のGHG排出量の開示と削減が求められる中で、企業は新たな国際基準に基づいたGHG排出量の算定を行う必要があります。2023年3月には物流領域におけるGHG排出量算定基準が新たに国際規格ISO 14083:2023として発行され、これによりより実態に即したGHG排出量の算定が可能となりました。

法令改正により、取締役会への報告や有価証券報告書へのサステナビリティ情報の記載が義務化される見込みであり、企業は今後ますますこの情報開示に取り組む必要があります。ヤマト運輸の温室効果ガス排出量提供サービスは、企業がこの重要な課題に効率的に対応できるよう支援することを目的としています。

まとめ

ヤマト運輸の新サービスは、企業が環境問題に対する責任を果たし、持続可能なビジネスを推進するための大きな一歩です。顧客に対して信頼性のあるGHG排出量の算定を提供し、サステナビリティに関する情報開示を効率化する取り組みは、今後の企業戦略にも大きく寄与することでしょう。企業がこのサービスを利用することで、GHG排出量を削減し、環境負荷を軽減することが期待されます。