アメリカ・バークレーから広がる新たなSAKE文化の波

アメリカ・バークレーが生み出す新しいSAKE文化

カリフォルニア州バークレーは、地元の気候と水資源に恵まれた酒造りの拠点として、40年以上にわたり日本酒の生産を行ってきました。1951年に宝酒造がアメリカ市場への進出を果たし、1983年には現地に酒造りの拠点を設立。以来、「松竹梅」を中心に多彩な日本酒を製造、提供し続けています。

清酒のトップブランドとしての立ち位置

米国宝酒造は、アメリカにおける清酒生産量で現在もトップを維持し、全米市場の約30％を占めています。代表商品である「松竹梅クラシック純米酒」は、当初から現地の消費者に支持され、1984年にはにごり酒の販売も開始しています。この甘味が特に好まれ、清酒への関心をさらに高める要因となりました。92年にはアメリカ初の吟醸酒を発売し、その品質の高さで国際的にも高い評価を受けています。

革新を求めた新たなSAKEの開発

伝統的な酒造りの技術を大切にしつつ、米国宝酒造は常に革新を求めています。2006年にはフレーバードSAKE「HANA」を発売し、リンゴやピーチなどの香りを楽しめる商品を提供しました。この革新的なアプローチにより、幅広い消費者に対応し、従来の日本酒の概念を超えた新たなSAKE文化を構築しています。さらに、苺や桃の香りがついたにごり酒「YUKI」は特に人気を集めています。

日本の酒造りが国際的評価を受ける時代に

2024年12月には、日本の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録される見込みで、これにより和酒への世界的な注目が一層高まると予想されています。アメリカにおける日本酒の消費は、1950年代の進出から始まり、その後の寿司ブームで一気に広がりました。宝酒造はこの絶好の機会を捉え、現地での生産を開始しました。アメリカ人に親しまれる日本酒の提供を通じて、ストーリーとともにその文化を広めることを目指しています。