ヤマト運輸株式会社が2025年10月1日より全国約4.6万台の集配車両のドライブレコーダーを新しくすることを発表しました。この取り組みは、運転状況を可視化し、ドライバーの安全意識や運転技術の向上を目指しています。ドライブレコーダーの刷新後は、運転中の映像はタブレットや他のデバイスでリアルタイム確認できるようになり、運転日報には一日の運転状況をレーダーチャートで表示するといいます。これは、セールスドライバーが自身の運転特性や改善点を把握し、安全運転に結びつけるための重要な手段となります。
リニューアルの主なポイント
この新しいドライブレコーダーには、いくつかの進化した機能が備わっています。主なポイントを見ていきましょう:
1.
映像による運転支援機能の進化
急アクセルや急ブレーキなどの危険な行動を検知する際に、音声で注意喚起を行います。この際、運転中の映像も自動的にクラウドへアップロードされ、運転日報に記録が残ります。また、外向きカメラは速度標識や一時停止標識を認識し、これを通じて運転者の行動がどうだったのかを確認できる仕組みです。
2.
安全意識・運転技術の可視化
運転日報には、「一時停止遵守」「危険運転」「運転集中度」といったテーマがあり、レーダーチャートで視覚的に表示されます。これにより、セールスドライバーたちは自分の運転技術や安全意識のレベルを知り、必要な改善が可能になります。
3.
運転日報の電子化
紙での記録を排除し、運転日報をタブレットなどで閲覧・電子保管可能にすることで、効率的な運用が期待されます。これにより、保管業務の負担が軽減され、法令遵守の一助に向けた管理が実現できます。
期待される効果
新システムによってセールスドライバーに多くの利点がもたらされます。
乗務後の点呼時に運転日報の映像とレーダーチャートを使って運転を振り返ることで、自己の運転特性や改善点が確認できる様子。急アクセルの回数等を基にした具体的な指導が受けられるようになるため、個々の成長を促進することが期待されています。
運転管理者にとっても、リアルタイムで運転状況を確認し、よりタイムリーな安全教育が行えるようになるため、組織全体の運転技術の向上に寄与します。
他の安全への取り組み
ヤマトグループとしては、「人命の尊重と安全の確保」を根底に、運転中の安全を最優先する理念を掲げています。教育面においては、添乗指導や年2回の「交通事故ゼロ運動」、さらには飲酒運転防止ガイドラインの制定と、様々な取り組みが行われています。このドライブレコーダーの機能改善は、こうした努力の延長線にあり、テクノロジーを活用した安全管理をさらに強化する狙いがあります。安全性向上はもちろん、顧客と従業員の信頼を築いていくためにも、こうした施策が不可欠です。
新システムの導入によって、ヤマト運輸の集配業務がどのように変わるのか、今後の展開が注目されます。