TOPPANがインドにサステナブル包材の新製造ライン導入
TOPPANグループは、環境への配慮を強化するため、サステナブル包材の基材となるBOPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルムとBOPE(二軸延伸ポリエチレン)フィルムのハイブリッド製造ラインをインドに新設しました。この取り組みは、インドのTOPPAN Speciality Films Private Limited(TSF)が中心となり、全世界の食品や日用品のパッケージ市場への対応を目指します。
ハイブリッド製造ラインの導入背景
TOPPANの準備した新製造ラインでは、これまで主にBOPPフィルムを生産していたTSFが、初めてBOPEフィルムも生産できるようにします。このハイブリッド製造ラインは、2025年の11月中旬から本格稼働を始め、主にグローバルブランドオーナーやパッケージコンバーターに向けて両フィルムを供給していくことを予定しています。
特にSGE(サステナブルグリーンエコノミー)の観点で、環境対応包材の需要が高まる中、フィルムの供給能力を強化するこの新しいラインの導入は重要です。この変更により、TSFはフィルム生産能力を約40%増強し、環境意識の高い市場におけるニーズに応えることが期待されています。
環境への取り組みと中期経営計画
TOPPANグループは、「Digital&Sustainable Transformation」を中期経営計画の概念に掲げ、持続可能な社会へ向けての責任を果たす企業を目指しています。特にパッケージ事業においては、革新的なフィルム製造技術やリサイクル性の高いモノマテリアルへの転換に尽力しています。
欧州を中心に、リサイクル適性を備えたサステナブルパッケージへの需要が高まっており、これに応えるためにTSFは新ラインでの生産量拡大を目指します。これにより、BOPPフィルムとBOPEフィルムの供給が強化され、環境対応包材を求める消費者のニーズにしっかりと応える方針です。
ハイブリッド製造ラインの特長
新しい製造ラインの特色は、何と言ってもBOPPとBOPEを同じ機械で製造可能な点です。これにより、多様なニーズに迅速に対応できる生産体制が整いました。また、高速・高品質な管理システムを導入し、全てのフィルムにおいて均一な厚み、透明性、強度を兼ね備えた製品の提供が可能となります。
今後の展望
TSFは2027年までに、年間約33,000トンの販売量を目指し、その需要に応える生産体制を確立していく予定です。また、TOPPANグループの持つ技術とTSFのフィルム製造ノウハウを融合させ、高付加価値のBOPP・BOPEフィルムを市場に提供し、持続可能なソリューションとして世界中に広めていく考えです。特に、TOPPANが開発した透明バリアフィルム「GL BARRIER」を用いたフィルム製品の開発も進める予定です。これにより、医療や食品パッケージングといった幅広い利用分野での期待が高まります。
サステナビリティを重視する今の時代に、TOPPANのこの新ラインがどのように展開され、貢献するかが注目です。