世界初!CNF配合容器の実証事業が静岡で始動
2023年、静岡県で新たな試みとして、セルロースナノファイバー(CNF)を配合した物流資材の使用が始まります。この取り組みは、環境に優しい素材を使った商品の配送を目的とした「セルロース循環経済ビジネス実証事業」として位置づけられています。その中でも、伊藤忠商事が主導する「セルロース複合プラスチック物流資材のコンビニ店舗輸送網実装コンソーシアム」が注目されています。
実証事業の背景と目的
静岡県では、官民連携でCNFをはじめとするセルロース素材を活用するビジネスアイデアを募り、地域の環境問題を解決するための取り組みが進められています。その一環として、CNFを利用した物流資材を開発し、配送プロセスを改善することで、コンビニエンスストアの物流課題に対応しようとしています。特に、薄肉化や軽量化の実現による作業負担の軽減や積載効率の向上が期待されています。
CNFの特性とその応用
CNFは、木材由来の繊維をナノレベルまで微細化したバイオマス素材で、強度が高く軽量であるため、さまざまな製品への応用が可能です。この特性を生かすことで、物流業界に新たな風を吹き込むことでしょう。実証事業では、主に食品の配送に使用される薄型容器「バット」にCNFを配合した新しい物流資材が開発され、静岡県内の約80店舗で詳細な検証が行われます。
コンソーシアムの構成メンバーと役割
このプロジェクトには複数の企業と大学が参加しており、それぞれ異なる役割を担っています。伊藤忠商事はプロジェクト全体の管理と原材料の調達を担当し、ファミリーマートは店舗での実装に協力しています。また、三甲株式会社はCNF物流資材の製造およびリサイクルを行い、京都大学は製品性能や環境の評価、ものづくりサポートを担当しています。
実証の期待と今後の展望
世界初となるCNF配合物流資材は、リサイクル性や経済性を実証することで、今後の物流業界に与える影響は計り知れません。コンビニエンスストアの物流の効率化に貢献し、環境保護に寄与するこの取り組みが成功すれば、日本国内だけでなく、国際的な評価へとつながることも期待されます。
この実証事業は、持続可能な社会を実現するための重要なステップとなり、今後のビジネスモデルや政策にも影響を与えることが予想されています。静岡県の試みが全国に広がることを願いつつ、その進展に注目していきたいと思います。