ヤマップと北海道警察が締結した新たな協定
2024年、株式会社ヤマップ(福岡市)が北海道警察と共に新たな協定「遭難ZERO協定」を締結しました。この取り組みは、登山届の提出をスマートフォンアプリ「YAMAP」を通じて行うもので、登山者にとって便利なシステムを提供すると同時に、遭難者の迅速な救助にも繋がることが期待されています。
背景:北海道の山岳遭難状況
2024年のデータによると、北海道では129件の山岳遭難が報告され、163名が関与しています。これは前年比で件数が15件、人数が9人減少したものの、依然として高い水準にあります。多くの登山者が遭難する理由として、「面倒だから登山届を提出しない」という声が挙げられています。これまで、登山者は登山口に設置されたポストに書類を持参したり、事前に郵送したりする手続きが必要でした。しかし、特に低山ではポストが設置されていないことも多く、登山者の間で気の緩みが見られていました。
新たな提出方法
ヤマップが提供するアプリでは、登山計画を簡単に作成できる機能が含まれています。コースタイムを自動で計算し、無理のない登山計画が簡単に立てられる上に、登山計画を提出することで、指定した緊急連絡先にもその情報を共有できます。
この新しい協定によれば、ヤマップに登山計画を提出すると、北海道警察にも自動的にそのデータが連携されます。この仕組みにより、従来の煩雑な登山届提出手続きが大幅に簡素化され、登山者の利便性が向上します。同時に、登山届の提出数が増加することで、警察側でもより多くの登山者の状況を把握できるようになります。これにより、万が一にも遭難した際には、迅速な救助が可能となるでしょう。
協定による今後の展望
北海道警察との協定は、これまでに29例目の取り組みとして位置付けられています。ヤマップは、登山アプリの機能開発を続けるだけでなく、安全に山を楽しむためのインフラ提供にも努めてまいります。
この「遭難ZEROプロジェクト」では、遭難者の位置情報連携や捜索現場で役立つ情報提供、さらに事故防止の啓発活動が行われています。2022年3月にスタートしたこのプロジェクトは、今後も連携先を広げ、より多くの命を救うための努力を続けていきます。
ヤマップについて
ヤマップは、登山中のGPS機能によって現在地やルート情報を提供し、登山をより安全に楽しむためのアプリです。ユーザーは自らの登山記録を残したり、山に関する情報を収集したり、他の登山者との交流を深めることができます。
2024年10月には利用者数が510万ダウンロードを超え、日本最大の登山・アウトドアプラットフォームとして成長を遂げています。この取り組みによって、より多くの人々が安全に自然を楽しむことができるようになることが期待されています。
詳細は
公式サイトでご確認ください。