象印マホービン、製品安全への地道な取り組みが実を結ぶ
象印マホービン株式会社は、経済産業省が主催する令和7年度の「製品安全対策優良企業表彰(PSアワード)」において、「大企業 製造事業者・輸入事業者部門」の「優良賞(審査委員会賞)」を受賞した。この栄えある受賞は、同社の製品安全への真摯な取り組みが評価された結果であり、消費者の信頼を確保するに足る活動を積み重ねてきた証拠でもある。
製品安全対策優良企業表彰(PSアワード)とは
「製品安全対策優良企業表彰」は、製品の安全性に対する企業全体の取り組みを評価する制度であり、製造業者、輸入業者、小売販売業者などの企業が対象となる。安全な製品を生み出すための各企業の活動が幅広く公募され、厳正な審査を経て表彰が行われる。今年度からは新たに「製品安全対策優良企業表彰 製品部門(「+あんしん」)」が設けられたことも、大きな注目を集めている。
象印マホービンの選出理由
1. サイレントチェンジ防止に向けた取り組み
象印マホービンは、部品の仕様が変更される際にリスク検証を行い、品質の実地調査を年に一度実施している。この調査は、チェックリストに基づき、サイレントチェンジ(仕様変更の通知なしに行われる変更)を未然に防ぐためのものだ。また、部品業者に対しても定期的な巡回を義務付けることで、その健康状態を把握し続けている。
2. 厳格な検査・現場確認
製品の安全性を保証するために、象印マホービンは量産品の出荷前に全数確認を実施。さらに、新製品に関しては、ロボットを活用した耐久性試験を拡充し、手動による実負荷テストも行っている。この厳しい検査体制こそが、不具合の流出を未然に防ぎ、高品質な製品を市場に提供する要因となっている。
3. ユーザー視点での改善活動と市場データの活用
同社は顧客からのフィードバックを重視し、クレームやVOC情報を集めて迅速に対応。特に営業現場や修理現場からの情報は、CS(顧客満足)推進部に集約され、即座に各事業部へ共有される構造を確立している。これにより、海外からのクレームもタイムリーに反映され、製品の改善に繋がっている。
今後の取り組み
象印マホービンは、製品安全の確保を経営の重要課題として捉え、今後も安全対策に努めていく意向を示している。同社の基本方針に基づき、消費者が安心して製品を使用できる環境づくりを続けていくと述べている。
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