最近、オストメイトの方々が公衆浴場や温泉施設で入浴する際の悩みを解決するために開発された新しい商品が話題を呼んでいます。それが、株式会社ビームスが手がけた「湯浴み着プロジェクト」の湯浴み着です。この商品は、人工肛門・人工膀胱を持つオストメイトの方々が安心して入浴できるよう作られています。
オストメイトとは、病気や障害により腹部に人工的な装具(ストーマ)をつけた方々のことで、国内には約22万人のオストメイトがいるとされています。入浴の際、ストーマが露出することから、公共の銭湯や温泉を利用しづらいという声が多く寄せられています。それに応える形で、ビームスは湯浴み着を開発しました。
今回の湯浴み着プロジェクトには、当事者や医療従事者からの意見が取り入れられ、二種類の湯浴み着が誕生しました。それが、マルチクロス「yuami multi cloth」とバッグ「yuami bag」です。前者は、入浴時にさまざまなスタイルで着用できるデザインとなっており、後者はオストミーパウチをサポートするためのバッグです。
湯浴み着の詳細
「yuami multi cloth」は、素材にポリエステルの特殊メッシュを用いており、軽量で通気性が高く、吸水速乾性にも優れています。この湯浴み着は、状態に応じて着用方法を4通り選べるようになっています。例えば、片方の肩にかけたり、首にかけたり、腰に巻くことができるデザインです。さらに、裾をスナップボタンで留めることで、ズボンのような形状になり、入浴中も安心です。価格は14,080円(税込)で、色はブラック、ベージュ、サックスブルーの3種類が展開されています。
一方、「yuami bag」は、オストミーパウチをバッグの開閉部分から中に入れ、そのままウエストポーチとして使用することができる設計です。背面の素材には肌触りの良いメッシュ素材を使用し、ユーザーの快適さを追求しています。撥水加工が施されているので、温泉やプールでも安心して使用できるデザインとなっています。こちらの価格は8,580円(税込)で、色はブラックとベージュがそろっています。
体験イベントのお知らせ
この湯浴み着の魅力を体感できる体験イベントが、2024年7月26日(金)に東京都杉並区の「小杉湯」で開催されます。このイベントは、貸し切り形式で行われるため、事前申し込みが必要です。当日は、参加者が湯浴み着をレンタルして実際に体験できる機会となっています。
また、「小杉湯」は昭和8年に創業、国の登録有形文化財に指定された由緒ある銭湯です。地域に根ざしたこの銭湯では、さまざまなイベントが行われており、幅広い世代に親しまれています。体験イベントは11:50から受付開始で、12:20にスタートします。参加費は大人520円、小学生200円で、詳細は専用の参加申込みフォームから確認できます。
このプロジェクトは、オストメイトの方々にとっての入浴文化を広める良い機会です。ファッションを通じてオストメイトの理解を促進し、より多くの方に温泉や銭湯を楽しんでもらえるような試みとなることを期待しています。オストメイトの方々が安心して温浴を楽しむためのこの新しい一歩、ぜひ注目してください!