再生素材でつくる新しい未来：アップサイクルの重要性と挑戦

近年、私たちの社会においてリサイクルやサステナビリティが重要視されてきている中、廃棄物の問題は深刻な課題として浮かび上がっています。日本でも、毎年およそ200万トンの衣類や古布が廃棄され、その大半が焼却または埋め立てられています。この現実を変えるために、株式会社colourloopが掲げているのが「再生素材が主役になる時代」というビジョンです。

色で変わる廃棄繊維の価値

同社は、独自の技術「Colour Recycle System」を駆使して、廃棄された繊維をアップサイクルすることで新しい価値を創出しています。これまで廃棄繊維は、主にグレーやブラウンなど、見た目の良くない素材として扱われてきましたが、colourloopは素材を色で分け、より美しく、自由な発想で生まれ変わらせることを目指しています。

ここで生まれるTEXLAM®ボードやリサイクル糸Reprit®、ReFIQシート、WFRP成形品などは、色やデザイン性も考慮された新しいアップサイクル素材です。このように、単なるリサイクルを超えた、高品質で魅力的な商品として生まれ変わっています。

大阪・関西万博での挑戦

特に注目すべきは、2025年に開催される大阪・関西万博での取り組みです。万博会場に設置されるベンチを制作するにあたり、colourloopはナカノ株式会社やアボードと連携し、約3,000枚分の古い衣類をアップサイクルしました。「再生素材はサブではなく主役になれる」という信念のもと、このベンチが多くの人々に活用されることで、廃棄物の新たな価値を伝える場にしたいと考えています。

循環型社会を実現するために

再生素材を使った製品の普及は、循環型社会へ向けた重要な一歩です。ただ素材を再生するだけでなく、その後の使用や流通についても意識した取り組みが必要です。colourloopは、企業との共創を通じて、再生素材をエコやSDGsの象徴だけでなく、人々が選びたくなるような魅力的な選択肢として広げるための挑戦を続けています。