2023年8月15日、国際NGOワールド・ビジョンは、中央・西アフリカでの重症化リスクの高い新たなタイプのエムポックスが急速に流行していることに懸念を表明しました。特に、コンゴ民主共和国ではこの病気による影響が顕著で、報告された7,851人の患者の39%が5歳未満の子どもで、その中で240人が亡くなったことが見込まれています。これにより、エムポックスが子どもたちの命に直結する深刻なリスクであることが強調されています。
ワールド・ビジョン・コンゴ民主共和国の事務局長、アリーナ・ナポン氏は、「子どもたちはエムポックスに対して非常に脆弱です。特に、保健サービスが不足している国や難民キャンプ、過密な都市部では、子どもたちがさらなる危険にさらされています」と語り、現状の深刻さを訴えました。
また、世界保健機関(WHO)は8月14日にアフリカでのエムポックス感染拡大を受け、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。コンゴ民主共和国では、紛争や高頻度の性的暴力が影響し、住民が大きなリスクにさらされています。
ナポン氏は、「避難民キャンプでは密接な接触が避けられず、エムポックスが急速に広がる可能性があります。特に、紛争や自然災害の影響を受けた地域では、子どもたちがこの病気の危険にさらされています」と語り、状況の厳しさをアピールしています。
ワールド・ビジョンは国際社会に対し、エムポックスの拡散を防ぐために、サーベイランスシステムの設置やワクチン接種の展開、正確な情報の普及などを通じて緊急対応を求めています。また、「人道的危機がひどい国々において、迅速な対策が不可欠であることを学びました。子どもたちがこの危険な病気で命を落とす姿を見過ごすことはできません」と強調します。
さらに、8月16日にワールド・ビジョンは、コンゴ民主共和国を含む11カ国を対象に緊急準備基金の支出を決定し、エボラ出血熱や新型コロナウィルス感染症への対応経験を踏まえた対策を強化しています。具体的には、感染予防のための衛生促進や意識啓発、感染の早期発見を支援する保健サービスの強化、ワクチン接種の優先提供などを掲げています。
このように、ワールド・ビジョンは困難な状況にある子どもたちを守るため、国際的な協力と担当機関の迅速な対応が求められることを訴えています。子どもたちが安心して生きられる環境を作るためには、すぐに行動を起こす必要があります。
ワールド・ビジョン・ジャパンは、貧困や紛争、自然災害などで困難な状況に置かれている子どもたちのために活動する国際NGOであり、その取り組みは世界中で多くの人々に希望を与えています。エムポックスに対する早急な対策と支援が求められる今、私たちも何かアクションを起こすべき時です。