株式会社YAKホールディングスの代表取締役、水神怜良氏のインタビューが、最近『人民日報海外版日本月刊』に掲載されました。彼は日本で華人企業が初めて上場を果たそうとしているというニュースを、心躍らせながら伝えました。これは、日本の多様性と外資受容力の高まりを示す重要な出来事であり、華人企業が日本のビジネス環境で信頼を築くことができた象徴ともいえるでしょう。この記事では、彼のこれまでの歩みと今後の展望について深掘りします。
留学から起業までの道のり
水神氏は21年前に中国の江南地方から福岡に留学。新しい環境への期待の一方で、福岡の地で起きた事件により中国人留学生への偏見が強まったことを知らずに来日しました。
彼自身も住居探しで苦い経験をし、それが後のビジネスの原動力になったと振り返ります。2009年に立命館大学を卒業し、大手の上場企業に入社。しかし、観光立国を推進するとはいっても、上司に自らの観光プロジェクトの計画を納得させることはできず、2016年に独立してYAKを設立する道を選びます。
華人企業の共存共栄を目指して
YAKを立ち上げたとき、日本の金融機関は外国人に対して厳しい融資条件を課していました。それを受けて、水神氏は在日中国人に最適な銀行を紹介し、より良い条件で住宅ローンを獲得できるように支援しました。具体的には、特定の経済状況をしっかりと審査し、顧客が長期的に安定した返済が可能なように導く仕組みを整えています。これにより、YAKは在日華人のイメージ向上にも寄与し、信頼を築いています。
実際の事例では、YAKが顧客のローン条件を見直し、金利を大幅に引き下げることに成功した話も紹介されました。水神氏は、こうした透明性と誠実さをもってビジネスを進めることで、信頼関係を深める努力を続けています。
不動産業界の未来を展望
日本の不動産市場において、水神氏は「短期間で大きな収益を上げる手法は通用しない」とし、長期的な視点が不可欠であると力強く述べました。彼によると、少子高齢化の状況においては海外からの人材受け入れが重要で、その中でYAKが果たせる役割は多いとのことです。これからのYAKは不動産だけでなく、企業コンサルティングやM&Aの分野にもかかわりを広げていく構想を持っています。
水神氏はYAKの成功を通じて、在日華人企業としての信頼を高め、他の華人企業にも道筋を示したいという強い意欲を持っています。
華人企業の上場を目指して
YAKはこれまで数年連続で売上を大幅に伸ばしており、2022年には年間売上高が18億2700万円に達しました。2023年度には20億円を突破すると見込んでおり、注目される不動産事業の成長を受けて、上場を視野に入れた動きも加速しています。
その名もYAKグループが設立され、現在は不動産業をはじめとした多様な事業を展開中です。水神氏は、国内外のリソースを最大限活用し、新たなビジネスの可能性を追求し続けるとしています。また、日本の良いものを世界に発信することや、海外企業が日本に投資するための橋渡しをすることにも力を入れています。
公益事業への取り組み
YAKではビジネスの発展のみならず、公益にも積極的に関与。それにより、日本や中国での災害救援や教育支援なども行っており、国際的な友情の架け橋としての役割も果たしています。水神氏本人が語るように、YAKの事業は日中の架け橋となり、「これからも力を尽くして貢献していきたい」との意志を示しました。これらの取り組みは、透明性と誠実さを企業理念として掲げているYAKが、社会的責任を果たしていくための一環でもあるのでしょう。
取材後記
今回のインタビューは、水神氏の情熱と、彼の背後に広がる華人たちの歴史を感じさせるものでした。水神氏の目指す未来は、多様性が豊かさを生む社会を具現化することであり、彼とYAKが歩む道は、在日外国人に新たな希望を与えるものであると確信しています。彼の願いが未来の日本社会に浸透していくことを願ってやみません。