高次脳機能障害に関する講習会が京都で開催されました
2024年11月17日、京都府立京都学・歴彩館にて「第28回脳外傷・高次脳機能障害リハビリテーション講習会」が開催されました。主にリハビリテーション病院や介護施設、在宅医療サービスを運営する京都大原記念病院グループが事務局を担い、医療関係者や当事者団体から約130名が参加しました。オンライン視聴も行われ、多くの人々が集まる盛況なイベントとなりました。
講習会の目的とテーマ
この講習会は、日本損害保険協会の助成を受け、「当事者・家族とともに高次脳機能障害の理解をひろげよう」というテーマのもとに進められました。高次脳機能障害は、脳卒中や交通事故などが原因で発生する後遺症として知られていますが、見た目にはわかりにくいため、周囲の理解が不十分であることが課題とされています。
講演内容とシンポジウム
第一部:講演
講師の山口加代子先生(臨床心理士・公認心理士)が、高次脳機能障害の当事者およびその家族への支援について講演されました。山口先生は、高次脳機能障害の特性からくる見過ごされがちな問題を指摘し、より包括的な医療支援の必要性を訴えました。また、未診断の当事者が社会に適応できない現状についても触れ、法整備の重要性を強調されました。
第二部:シンポジウム
続くシンポジウムでは、当事者とその家族が自身の体験を語り、参加者との交流を深めました。複数の発表者からは障害を抱えた者としての思い、克服のプロセス、必要なサポートが語られました。特に、自分の障害を理解し、オープンにすることが求職活動の助けになったという経験が共有され、意義深い議論が展開されました。
講習会の成果と今後の展望
この講習会では、参加者同士の意見交換が行われ、高次脳機能障害についての理解がより深まる場になりました。家族からのメッセージや体験談は、他の参加者にとっても励みになったことでしょう。今後もこの取り組みを通じて、高次脳機能障害に関する理解が広まることが期待されます。
アーカイブ配信の案内
講習会は成功裏に終わりましたが、参加できなかった方のために、アーカイブ配信が12月10日に予定されています。興味のある方は、京都大原記念病院グループのLINE公式アカウントから登録し、ぜひご覧ください。
このような講習会は、高次脳機能障害に関する意識を高め、当事者やその家族への支援をより充実させるための重要な活動です。私たち一人一人がこの問題を認識し、理解を深めることが求められています。引き続き、各種イベントや講習会を通じて、皆さんへの情報提供と理解の促進に努めていきます。