三井化学が新たな細胞培養環境を提供
三井化学株式会社が10月1日、細胞培養ブランド「InnoCell(R)」シリーズの新製品『InnoCell(R) Pタイプ』を発表しました。この製品は、特にオルガノイドや細胞組織モデルの作製に適した接着細胞培養向けのプレートです。これにより、細胞がより自然に近い環境で育成されることが期待され、創薬研究においては薬効と毒性評価の精度向上が狙えます。
創薬研究の課題とInnoCell(R) Pタイプの特徴
近年、創薬の現場ではヒトの生体機能を反映したデータを取得できる細胞モデルの重要性が増しています。特に、3D細胞モデルは疾患メカニズムの解明や創薬研究のスクリーニングにおいて注目されています。しかし、3D培養では組織内部への酸素供給が十分でない場合が多く、これが細胞機能や評価データの再現性に悪影響を及ぼす可能性があります。
InnoCell(R) Pタイプは、高酸素透過性の材料と独自の表面処理技術により、細胞の観察精度を向上させる低自家蛍光性が特徴です。これにより、創薬評価とスクリーニングが容易になり、より効率的に研究を進めることが可能です。
実績のある培養環境
関西医科大学の升本英利教授が行った研究では、ヒトiPS細胞由来の心臓オルガノイドをInnoCell(R) Pタイプで培養した結果、均一な組織形成と厚みの増加が確認されました。既存のポリスチレン製プレートと比較しても明らかに改善された結果が出ており、心筋細胞の増加も見られ、再現性のある3D心臓組織モデル構築の可能性が示されています。
ハイスループットスクリーニングの可能性
さらに、ミシガン大学のJonny Sexton准教授は、同製品を用いてヒト腸オルガノイド由来上皮細胞の培養とバリア機能評価を行い、伝統的な多孔膜インサートを用いずとも高感度かつ安定した評価ができることを確認しました。この評価は、InnoCell(R) Pタイプの低自家蛍光特性を活かしてハイコンテントイメージングとの組み合わせが期待されます。
創薬研究の未来へ
こうした性能を背景に、三井化学はInnoCell(R)を単なる培養プレートとしてではなく、創薬研究における重要な研究インフラとして位置づけています。これからも研究者の手助けとなるような製品開発に努め、ライフサイエンス分野に新たな価値を創出する姿勢を貫きます。
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