トヨタ・モビリティ基金の新しい挑戦
一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(TMF)が、東京都大田区と提携し、自転車事故の削減に向けた取り組みを始めました。2023年12月12日、大田区役所にて、鈴木晶雅区長の出席のもと覚書の締結式が行われました。本取り組みは、全国でも自転車事故が増加する中での重要な施策となります。
国内の自転車事故状況
東京都では、交通事故全体の件数は減少傾向にあるものの、自転車が関連する事故は逆に増加しています。特に大田区では、2023年の交通事故のうち約53.3%が自転車関連事故であり、この傾向は地域の安全にとって緊急の課題とされています。また、タテシナ会議「自転車・二輪」分科会では、技術と啓発を組み合わせた安全施策に関する研究が進められています。これらの知見を活かし、2024年から2026年までの間に実証実験を実施し、自転車事故の削減を図ります。
実証実験の内容
取り組みは大きく二つの施策に分かれます。まず一つ目は、
インフラ協調型危険回避システム
いいですか、ITSスマートポールを導入した実証実験です。支柱に取り付けたカメラやセンサーが自転車や車の動きを感知し、LEDディスプレイを介して安全情報を提供します。このシステムでは、信号のない交差点において、以下の効果を確認します。
- - 出会い頭の事故を未然に防ぐための注意喚起
- - 一時停止を遵守した自転車利用者へのポジティブなメッセージの表示
後者の取り組みは全国初の試みであり、ポジティブなメッセージを通じて一時停止ルールの浸透を目指しています。
安全意識向上活動
二つ目は、ブリヂストンサイクル株式会社が行う自転車利用者への安全意識を高めるための啓発活動です。対象者を世代別に分け、小学生向けには自転車の乗り方教室を、子育て世代には安全動画を作成し、自転車を利用する際の注意点を広めていきます。
これにより、大田区は安心して自転車を利用できる環境を整備し、自転車事故の減少を図ることを目指しています。
トヨタ・モビリティ基金の社会貢献
トヨタ自動車は、創業以来全てのステークホルダーを尊重しつつ、自動車を通じて豊かな社会を作ることを目指してきました。その一環として2014年に設立されたTMFは、移動課題に伴うプロジェクトに取り組むことで社会の向上に寄与しています。また、TMFは、モビリティを通じた豊かな社会作りを推進するため、今後も多様な活動を展開していく予定です。大田区との協力を通じて、自転車事故削減の実現に向けて新たな一歩を踏み出します。
この実証実験と啓発活動が成功することで、東京都内での自転車利用の安全性が向上し、より快適な移動手段としての自転車が根付くことを期待したいです。