日本とフランスを結ぶレアアース供給の新たな道

日本とフランスが手を組み、レアアース市場に新たな風が吹き込まれようとしています。独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構（JOGMEC）と岩谷産業株式会社が、特定目的会社を通じてフランスのカレマグ社への出融資を決定しました。このプロジェクトは、日本におけるレアアース資源の供給の安定化と多様化を目指すものであり、実際の化石燃料に依存しない未来のための重要なステップとなります。

カレマグ社への最大110百万ユーロの投資は、2025年1月23日から実行される予定で、カレマグ社が生産する重希土類の50%を日本に供給する契約が締結されました。重希土類は、電気自動車のモーターや洋上風力発電で使用されるレアアース磁石として欠かせない存在です。また、さまざまな電子部品の製造にも利用され、それらは現代のテクノロジーの基盤を支える重要な原料です。

現在、カレマグ社はフランスのピレネー・アトランテイック県において、レアアース精錬工場の建設を進めています。この工場では、鉱石由来の原料と共にリサイクル原料を積極的に活用し、二酸化炭素の排出を削減する取り組みを行っています。さらに、同社独自の技術により、製造工程での工業用水の使用量を軽減することにより、環境への負荷も減少させる見込みです。

岩谷産業は1990年代から日本市場においてレアアースを取り扱ってきました。今回のカレマグ社への出融資により、さらなる供給の強化が図られることになります。JOGMECとしても、本プロジェクトは日本のレアアースの供給源の多様性を高めるが、安定供給にも寄与すると認識しており、この取り組みは経済産業大臣の同意のもと進行しています。これは、令和2年度の制度改正に基づく製錬所単独事業への初めての出資支援となります。

両者が共同で推進することにより、今後のレアアース市場は新たな展開を迎えることとなりそうです。持続可能な社会の実現に向けて、日本の企業が国際的なパートナーシップを通じて一層の成長を遂げることが期待されています。

会社情報