美光技研と板坂諭氏が生み出す新しいアート「菌の鏡」
岐阜県美濃加茂市に謹んで位置する株式会社美光技研が、著名な建築家・板坂諭氏との初コラボレーションによるアート作品「菌の鏡/Microbiome Mirror」を制作し、2025年のDESIGNART TOKYOへ出展することとなりました。この作品は美光技研の先進的な技術によって、金属の表面に微生物の形を浮かび上がらせる独自の表現が行われており、特に光を当てることでその様子が変化します。
アートが目指すもの
「菌の鏡」は、私たちの体に共生する無数の細菌たちに光を当て、その存在を形にする実験的な作品です。この鏡は美光技研が独自に開発した3Dスピン研磨技術によって、微細なパターンが表面に彫られており、観賞者の動きによって微生物の影が浮かび上がる仕組みです。鏡に映るのは単なる“自分”だけではなく、自分自身を形作る他者、という視点を提供する作品となっています。
板坂氏は「菌の鏡」を通じて、生命と物質、そして自然と人工の関係性を新たな角度から考えることができるアートを提案しています。私たちが普段意識しない存在を可視化し、共生の重要性を問いかけます。これにより、テクノロジーと生命の交差点に位置する新しいアートの材料として、観賞者に強いメッセージを届けることを目指しています。
技術的背景
美光技研の3Dスピン研磨技術は、工業部品の高精度仕上げを主な用途としてきましたが、今回はその技術をアート表現に活用するという新たな挑戦が行われています。金属の表面上で光と影をナノレベルでコントロールし、作品に生命感を与えています。この取り組みは、技術をアートと結びつけることで生まれる新しい可能性を探求しており、今後の建材や空間デザインへの応用も視野に入れています。
展示情報
「菌の鏡」は、以下の要領で展示されます。
- - 展示名: Still Growing
- - 作品名: 菌の鏡/Microbiome Mirror
- - 会期: 2025年10月31日(金)~11月9日(日)
- - 会場: MEDIA DEPARTMENT TOKYO(東京都渋谷区宇田川町19-3)
- - 主催: DESIGNART TOKYO 実行委員会
- - 公式サイト: DESIGNART TOKYO
この作品は、観賞者に対して強いメッセージを伝え、除菌が常識化する現代において、共生の視点を再考するきっかけとなるでしょう。美光技研と板坂氏のコラボレーションによって生まれた、「菌の鏡」は未来のアートの形を示しています。
作品の意図
「菌の鏡」は、Still Growingシリーズの延長に位置する金属作品で、金属の表面に見える成長を象徴するパターンが研磨の痕跡として浮かび上がります。この作品は、ただの装飾品ではなく、建材そのものが感情を映し出す新たな素材としての可能性を提案するものです。
美光技研は今後もアーティストや建築家とのコラボレーションを通じて、技術的な美を社会に実装する道を追い求めます。