超小型グラフェン蓄電デバイスが業界の注目を集める

最近、超小型のグラフェンを使用したスーパーキャパシタが第6回J-TECH STARTUP SUMMITにおいて、日本能率協会産業振興賞を受賞しました。これは、これからの超スマート社会に不可欠な蓄電デバイスとしての期待が寄せられています。

革新的な蓄電技術の必要性

私たちが直面している社会の変化に伴い、モノのインターネット（IoT）やヒトのインターネット（IoH）、さらにはスマート医療やロボティクス、ドローン、モビリティ、再生可能エネルギーといった新しい産業への移行が進んでいます。これらの分野での成長を支えるためには、従来のリチウムイオン電池では対応しきれない特性を持つ革新的な蓄電デバイスが求められています。

例えば、軽量でコンパクトかつ安全性が高く、さらに急速な充放電が可能なデバイスが必要です。そこで登場したのが、MIつくばが開発するグラフェンスーパーキャパシタです。

MIつくばの技術

MIつくばは、世界初のグラフェン複合材料の量産化技術を持つ企業です。この技術を駆使し、同社は従来のサイズの約1/3でありながら、エネルギー密度は5倍という類を見ない性能を誇る超小型蓄電デバイスを開発しました。

主にIoH関連の補助電源市場をターゲットとしており、今後はロボットやドローン、IoTセンサー、さらにはモビリティや再生可能エネルギーの分野にまで事業を拡大する計画です。これにより、全く新しい高出力性、安全性に優れた電源を提供し、超スマート社会の実現に貢献することを目指しています。

J-TECH STARTUP SUMMIT とは

J-TECH STARTUPは、技術を駆使してビジネスの核となる企業を支援するプロジェクトで、グローバル展開が期待されるスタートアップを認定するための取り組みです。審査は厳格で、書類審査、ピッチ、面談の3つのステップを経て、革新性や社会的影響力、実行力などの観点から選定されます。

2021年度には6社が選ばれ、その後行われたオンラインイベントで各社がピッチを行いました。産業振興賞は、選ばれた企業の中から最も協業の可能性が高い1社に授与されました。

MIつくばの今後の展望

MIつくばはこの受賞を契機に、グラフェンスーパーキャパシタのサンプル販売や事業化開発をさらに加速させる計画です。同社は、グラフェンスーパーキャパシタによって皆様の生活を一新できるよう、日々の努力を続けていく所存です。

新しい技術の導入が進む中で、この超小型グラフェン蓄電デバイスがどのように私たちの未来を変えていくのか、ますます注目が集まります。