米価格の安定、購買行動に現れた新たなトレンドとは

米価格安定の影響と購買行動の変化

近年、米の価格安定が消費者の購買行動にどのような影響を与えているのか、東芝データが「スマートレシート®」を通じて全国約260万人から得たデータに基づいて分析が行われました。この分析では、特に米価格の安定がもたらした消費者の行動変容が明らかになっています。

米価格の安定化がもたらす影響

農林水産省の発表によると、2025年3月から開始された備蓄米の市場投入が、米価格の急騰を抑えるのに寄与しているとのことです。この取り組みの影響で、米の流通量の増加とともに価格が落ち着きを見せ、購買総量も前年同水準に達しています。本調査によると、価格安定化が購買量に与えた影響は顕著で、2025年3月からのデータでは、前年同期比で93.46%から始まり、5月には101.5%にまで回復しています。

購買単位の変化

特に注目すべきは、消費者が大容量（10kg）から中容量（3kg〜5kg未満）へと移行している点です。2025年7月のデータによると、3kg以上5kg未満の購入は前年同週比で約2.6倍に増加した一方、10kg以上の購入は20%以下に減少しました。これにより、消費者は以前の「まとめ買い」スタイルから「必要な分だけ」を重視する傾向が強まっています。これは、米の消費自体が減少しているのではなく、より効率的な買い方が浸透している証拠です。

主食としての米の地位は変わらず

また、米の消費が他の主食に置き換えられているとの分析も行われましたが、米の購入金額比率は60％以上を維持しており、パンや麺への大きなシフトは認められませんでした。これは、消費者が米以外の主食に対しても一定の関心を持ちながらも、米自身の価値を再認識していることを示唆しています。

家計管理の効率化

このような動向の中、東芝データが提供する「スマートレシート®」のような電子レシートサービスが急速に普及しています。このサービスは、購入商品の明細を電子化し、スマートフォンで手軽に管理できるため、消費者の家計管理をサポートしています。これにより、購入履歴を常に把握できるだけでなく、紙のレシートの発行コスト削減や環境保護にも寄与しています。