不動産業界における革新、スマートロックロボット「Akerun」
近年、IoT(モノのインターネット)が進化する中で、不動産業界もその波に押されて変革を遂げています。その中でも特に注目されているのが、株式会社フォトシンスが提供する後付け型スマートロックロボット「Akerun」です。この技術は、賃貸物件の内見を効率化し、業界全体に新しい風を吹き込んでいます。
スマート内覧の背景
不動産業界では、入居希望者を物件に案内する際、仲介会社がその物件を管理する不動産会社から鍵を借りるという非効率な流れが存在していました。このプロセスは時間がかかるばかりか、セキュリティの問題も懸念されます。これに対処するため、従来はキーボックスや番号ロック式の鍵が使われていましたが、その利便性には限界がありました。
そこで、フォトシンスと株式会社ネクストは共同で「スマート内覧」の試験運用を行うことで、これまでの煩雑な作業を簡略化する方法を模索しました。具体的には、仲介会社のスマートフォンを一時的な物件の鍵として利用する仕組みです。このシステムは、入居検討者が物件を内見する際の利便性を格段に向上させるとともに、セキュリティの面でも安心感を提供します。
世界初の後付型スマートロックロボット「Akerun」
「Akerun」は、スマートフォンのアプリを通じて鍵の施錠・解錠を可能にする革新的なロックシステムです。このスマートロックは、ドアの内側に取り付けるだけで利用可能で、特別な工事は不要です。そのため、急速に普及が進んでいます。また、管理者はアプリを通じて鍵の権限を手軽に管理できるほか、入退室の履歴をリアルタイムで確認することもできます。
スマート内覧の仕組み
「スマート内覧」の流れは以下の通りです:
1. 不動産仲介会社の業務担当者は、専用アプリをダウンロードし、個別アカウントを取得します。
2. 内見を希望する物件をアプリから選択し、管理会社に鍵利用の申請を行います。
3. 申請が承認されると、スマートフォンが鍵として機能します。
4. 仲介会社はスマートフォンを使って物件の扉を開け、入居希望者を案内します。
この試験運用は、2015年3月19日から実施され、東京都と神奈川県の数カ所で行われます。
スマート内覧の体験会
さらに、試験運用の開始に伴い、不動産仲介会社向けのスマートキー体験会も行われます。この体験会では、スマートフォンがどうやって鍵として機能するのか、実際に体験できる貴重な機会となっています。
今後の展望
「Akerun」は、入居希望者に対していつでも簡単に物件を見せることができる新しいスタイルの内覧を可能にするため、業界全体への普及を目指しています。
この取り組みを通じて、IoT技術が不動産業界における業務効率や顧客体験をどのように変えていくのか、注目が集まっています。
これからの不動産業界における「スマート内覧」に期待が寄せられる中で、さらなる技術の進化とサービスの向上が求められます。
企業概要
- 設立: 2014年9月1日
- 本社: 東京都品川区
- URL:
photosynth.co.jp
- 設立: 1997年3月12日
- 本社: 東京都港区
- URL:
next-group.jp