ElixとPRISM BioLabが手を組む
日本のAI創薬企業である株式会社Elixが、創薬分野での研究開発を加速させるべく、株式会社PRISM BioLabとの業務提携契約を締結した。この提携は2025年4月1日から施行される。
提携の背景と目的
Elixは、自社のAI創薬プラットフォーム「Elix Discovery™」と、PRISM BioLabが独自に開発したペプチド模倣技術「PepMetics®」を結集することで、これまで選定が難しかった標的分子に対する研究を進めることを目的としている。創薬研究の効率化が求められる中、これらの技術が合わさることで、医薬品候補の分子探索を迅速に行うことが可能になる。
問題の現状
一般的に、創薬研究には数百から一千以上の化合物を合成する必要があり、研究には長い時間がかかる。これに伴い、開発効率の向上は常に鍵となる課題であった。しかし、ElixのAI技術とPRISM BioLabのペプチド模倣技術の統合により、時代のニーズに応じた新しいアプローチが可能となる。
技術のコラボレーション
ElixとPRISM BioLabの提携は、以前のパイロットプロジェクトで得た成功を基にしている。このプロジェクトでは、PRISM BioLabが提供した化合物構造に対して、ElixがAIを活用して合成デザインを行い、従来では発見できなかった新しいヒット化合物を発見した。この経験を基に、両社はさらなる創薬の効率化と成功率向上を目指す。
業界関係者の期待
PRISM BioLabのCTO、藤間達哉氏は、「創薬プロセスの効率化は永遠の課題であり、両社の技術が融合することで医療従事者や患者に喜ばれる薬を早く届けるためのイノベーションが生まれることを期待しています。」と語っている。
一方、ElixのCEO、結城伸哉氏は「過去の段階で得られた新規化合物候補の創出は、両社の技術がどれだけ深く結びついているかを示しています。この業務提携で新たな高みを目指せることを楽しみにしています。」と強調した。
未来への展望
Elixのリードサイエンティスト、石田祐氏は「タンパク質間相互作用の阻害薬の開発は難易度が高いが、PRISM BioLabのPepMetics®技術とElix Discovery™のAI技術を組み合わせることで、これまで解決が難しかった課題に挑めると確信しています。」と述べた。
まとめ
ElixとPRISM BioLabの業務提携による革新的なアプローチは、医薬品開発の新たな可能性を開くものであり、今後の成果に対する期待が高まっている。患者や医療現場に喜ばれる新薬が生まれる日も遠くないかもしれない。