伊豆市とクラッソーネが連携協定を締結して空き家問題に対処

伊豆市とクラッソーネが手を結び空き家問題に挑む

株式会社クラッソーネ（名古屋市）は、静岡県伊豆市と空き家除却促進に関する連携協定を締結しました。この提携は空き家の増加が社会問題となるなか、安全な住環境を創出することを目指しています。近年、全国での空き家数は900万戸を超え、その割合は13.8％に達していますが、伊豆市だけでも5680戸が空き家として存在し、空き家率はなんと32.9％にのぼります。

この問題の深刻さを反映して、伊豆市には空き家に関連する苦情が増加しており、地域住民に大きな影響を与えています。株式会社クラッソーネは、解体工事に特化したDXプラットフォームを運営しており、過去に150,000件以上の実績を持っています。特に、全国2100社以上の解体業者と施主をマッチングするサービスを展開しています。

空き家問題の背景

実際、令和5年の住宅・土地統計調査によると、静岡県の空き家数は29.5万戸、空き家率は16.6％にコミットしており、これは全国平均よりも高い水準です。また、管理不全の空き家は、地域において公衆衛生や安全問題、さらには景観を損なう要因となります。今回は、伊豆市がこの問題を解決するべく、クラッソーネに協力を依頼しました。

提携による主な取り組み

本協定では、以下のような具体的な施策が取り決められています：

1. 空き家の整理: 市民が空き家に関する情報を簡単に提供できる「お困り空き家の連絡フォーム」を導入。
2. 解体費用の明示: 「すまいの終活ナビ」を活用し、解体の概算費用や土地売却査定価格を提示。
3. 情報提供: 空き家情報に基づいた管理コストや解体費用等をまとめたレポート「空き家価値査定シート」によって、所有者に対する適正なガイダンスを実施。

この取り組みは、空き家に関連する相談や障害に対して有効な情報を提供し、空き家の管理を適切に行うためのサポートを強化します。

代表者からのコメント

伊豆市の市長、菊地豊氏は「空き家の増加は地域課題の一つで、所有者がどう進めるべきか分からないという声も多く聞かれます。本協定から生まれるサービスを通じて、空き家の流通や管理に役立つことを期待します」と述べています。一方、クラッソーネの川口CEOも「街の循環再生文化を育む」というビジョンのもと、自治体と協力することが重要だと強調しました。

「すまいの終活ナビ」とは

「すまいの終活ナビ」は、相続や空き家処分を検討される方に向けたポータルサイトです。土地や建物の詳細を入力することで、解体費用や土地売却査定価格を算出し、所有者が選択肢を持てるよう支援。さらに、空き家の管理状況を評価するための「空き家の迷惑度診断」や、解体後の固定資産税シミュレーターも備えています。

空き家問題は放置されると多くの課題を引き起こしますが、今回の協定を通じて伊豆市とクラッソーネが協働することにより、地域の安全で快適な暮らしを実現する一歩が踏み出されました。これからも、自治体と民間企業が連携しながら、持続可能な社会の構築に貢献していくことが期待されます。