水処理プラントの受賞
2024-09-11 14:56:39

水処理プラント設計自動化の画期的な取り組みが日本学会賞受賞

水処理プラント設計自動化が「事例研究賞」を受賞



先日、フラクタリープ株式会社が手掛ける水処理プラントの設計自動化が、日本オペレーションズ・リサーチ学会の第44回「事例研究賞」を受賞しました。この賞は、オペレーションズ・リサーチを活用した優れた事例研究に贈られ、今回の受賞は「配置設計の自動化」に特に注目が集まりました。

受賞の背景


1957年に設立された同学会は、様々な社会課題を数理的手法で解決する日本最大の学術団体です。受賞対象となった今回の取り組みは、水処理プラントの設計プロセスを効率化し、従来の手動設計による問題点を解消することを目指しました。従来、多くの条件を考慮しながら手動で設計していたため、設計者の負担は非常に大きく、業務が属人化していました。その結果、品質のばらつきや、特定のベテラン設計者に業務が集中するという課題も抱えています。

受賞者として、プロジェクトを率いたシニア・アルゴリズムエンジニアの請川克之氏と、CPOの村井真也氏が表彰されました。特に、配置設計は難易度が高いため、注目されたのです。

複数の最適化手法を駆使した挑戦


本プロジェクトは、「メタ・アクアプロジェクト」と名付けられたFracta Leapと栗田工業による共同プロジェクトの一部で展開されています。数理最適化アルゴリズムを用い、設計実務を詳細に分析して設計上の制約条件を整理。さらに、複数の最適化手法を併用するアプローチが取られ、大きく二つのアプリケーション構成に分かれました。

自動化の実現


設計の初期段階では、装置グループでの配置算出を実施し、空間を大まかに区切りどの装置グループをどの位置に割り当てるかを組合せ最適化問題として設定しました。こうしたプロセスを経て、最適化ソルバーを活用し、開発したメタヒューリスティクスを適用することで動的に解決策を見出しました。また、個々の装置の正確な位置決定には貪欲法に基づいたアルゴリズムを用い、リアルタイムの解算出を実現しました。

今後の展開と期待


驚くことに、当初は10年かかると言われていたこの技術が、すでに2022年に配置設計アプリケーションのβ版をリリースし、翌2023年3月には「装置構成アプリケーション」と「工事計画アプリケーション」のβ版も運用開始。これらの施策により、設計業務量は50%削減され、設計期間も40%短縮されると見込まれています。

このような設計自動化ソリューションが実用化されることで、設計者の負担が軽減されるだけでなく、最終的には水処理プラントのコスト最適化や、環境への負荷抑制にも寄与することが期待されています。

さらに、設計者からのフィードバックを受けながらアプリケーションの改善を続けており、デジタルソリューションを通じて水インフラの課題解決を引き続き目指す方針です。

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参考資料



また、Fracta Leapではアルゴリズムエンジニアやテックリード、プロダクトマネージャー等のポジションでも人材を募集しています。興味がある方は以下のリンクから応募をご覧ください。



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会社情報

会社名
Fracta Leap株式会社
住所
東京都新宿区新宿2-8-15PARKFRONT SHINJUKU 3階
電話番号

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