エネルギー効率が産業用モータ選択の重要な役割を果たす
最近のABBによる調査が、エネルギー効率が産業用モータの選定において重要な要素であることを明らかにしました。特に、91%の企業がエネルギー効率が選択に影響を与えると回答しており、これはサステナビリティへの関心の高まりとも関連があります。多くの企業は既にサステナビリティへの取組みに投資しており、94%がエネルギー効率の高いソリューションによってコストを削減しようとしています。
この調査はABBとサピオ・リサーチ社が共同で実施し、2024年6月に行われました。調査対象は英国、米国、ドイツ、日本などを含む24カ国の2400社近くの企業で、OEM機器メーカーや食品・飲料、化学品メーカーなど多岐にわたります。
調査結果の詳細
主な発見は、エネルギー効率への投資が企業の財務的リターンにプラスの影響を与え、さらにサステナビリティ目標の達成にも寄与することです。ABBモーションのディビジョンプレジデント、Stefan Floeck氏は「企業がエネルギー効率を優先する理由は、環境への配慮だけではなく、実際のコスト削減に直結するからです」と述べています。
特にエネルギー効率の高いモータは企業にとって必須の選択肢となっており、88%の企業が環境製品宣言(EPD)の作成を製造業者に求める点も注目されます。これに対して、ABBはEcoSolutionsというプログラムを展開し、製品のライフサイクル全体における環境への影響を透明化する取り組みを進めています。
導入に向けた課題
とはいえ、企業が効率的なモータへの投資をためらう理由として、初期費用の高さや既存のシステムとの統合の難しさが挙げられます。特に大規模な企業の場合、この初期投資が経営者の意思決定に影響を与えています。しかし、99%の企業はエネルギー効率化によって得られるコスト削減が投資のリターンに繋がると認識しています。
ライフサイクルコストの観点から、エネルギー効率の高いモータは長期的に見て非常に小さなフットプリントを持ちます。特にIE6 SynRMモータでは初期費用がライフサイクルコストのわずか2%であり、残りの97%は電力コストに関連します。
デジタル化とEコマースの影響
企業がデジタル化を積極的に推進している現代、産業用モータの領域でもデジタル技術の導入が進んでいます。多くの企業がデータ分析や遠隔監視技術を利用し、より効率的な運用を実現しています。実際、99%の企業はデジタル接続されたモータによる予防保全機能などに高い価値を見出していると報告しています。
さらに、Eコマースによるモータ調達に対する関心も高まっています。多くの企業が、Eコマースを通じて豊富な選択肢と迅速な製品比較を利用し、より効率的な取引を行っています。ABBは世界21カ国でEコマースを展開し、顧客にとっての柔軟性と迅速性を向上させる役割を果たしています。
結論
ABBによる調査は、産業用モータの選択におけるエネルギー効率の重要性と、それが企業のサステナビリティへの取り組みに与える影響を明らかにするものでした。企業がエネルギー効率の高いソリューションに投資することは、環境保護と財務的リターンの双方を追求する新しいビジネスモデルを形成しています。ABBはこのトレンドを支える急成長する企業であり、持続可能な未来に向けて革新を続けています。