沖縄美ら海水族館の新たな挑戦
沖縄美ら海水族館(沖縄県国頭郡本部町)が、注目すべき成果を発表しました。世界初となるヨナグニスベトカゲと、日本初のミヤコトカゲの繁殖に成功したのです。この特別な展示は、2025年10月24日から12月10日まで、同水族館の1階「琉球弧の水辺」で行われます。
ヨナグニスベトカゲの魅力
ヨナグニスベトカゲは、与那国島固有のトカゲで、学名は
Scincella dunan です。日本においては2022年に新種として記載されたばかりで、このトカゲの生態についてはまだあまり知られていません。金色の体が特徴的で、孵化は2025年5月末に確認され、全長は約38mm、体重は約0.1gとなっています。これを展示することにより、その魅力と生態についての研究が進むことでしょう。
ミヤコトカゲの保全
ミヤコトカゲは、日本の宮古諸島に生息する海岸棲のトカゲで、学名は
Emoia atrocostata です。西太平洋の熱帯域で広く見られるこのトカゲについても、今回は孵化に成功し、2025年9月上旬にその結果が確認されました。全長約102mm、体重約1.12gの幼体が展示されますが、この種は環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に指定されており、特別な保護が必要です。自然海岸の開発により生息地が減少しているため、今回の繁殖成功はその保全活動の一環でもあります。
展示の詳細について
展示される個体はヨナグニスベトカゲが3個体(全長約80.2mm、体重約0.79g)、ミヤコトカゲが1個体(全長約119mm、体重約1.9g)です。生き物の状態により、展示が休止または終了される場合もありますので、来場予定の方はその点もご留意ください。
この特別展示を通じて、沖縄美ら海水族館は生態学的なデータを集めて、保全活動に貢献し、持続可能な自然環境の形成を目指しています。来館者は、この貴重なトカゲたちを見ながら、沖縄の生物多様性について学び、理解を深める良い機会となるでしょう。沖縄美ら海水族館は、沖縄の海の魅力を再発見する場としての役割を果たしています。
沖縄美ら海水族館について
「沖縄美ら海水族館」は、沖縄の持続的な観光と地域振興を推進する重要な施設です。南西諸島や黒潮に息づく多様な生態系を再現・展示し、次世代にその価値を継承する役割を担っています。また、「ちゅら」という名称は、沖縄の言葉で「美しい」を意味し、当館の理念を象徴しています。
注意事項:展示水槽の運営には公的機関の協力が必要で、繁殖に関する研究を進めるためには様々な試行錯誤が求められました。特にミヤコトカゲは、宮古島市の許可を得て、2023年から繁殖研究を続けています。今後の展示や研究の成果に期待がかかります。