生体電極業界に革命をもたらす新製品
2025年8月21日、特殊化学品メーカーのペルノックス株式会社が生体電極用フィルム「SilkyLink® MFX-1100」とペースト「Pertron® K-398Xシリーズ」を発表しました。この2つの商品は、日本の生体電極市場における海外依存問題の解決を目指して開発されました。
長年の課題を引き受ける
現在、日本の生体電極市場はフィルム型およびペースト型ともに、ほぼ全てが海外製品に依存しています。このため、地政学的リスクが生産の安定性に影響を与え、長期的なリードタイムやコスト上昇が一因となっています。ペルノックスは、自社の50年以上にわたる材料技術を駆使し、これらの問題に対処するために国産のフィルムとペーストを開発しました。
2つの革新技術の紹介
SilkyLink® MFX-1100
- - 貼るだけで電極化:製造工程が不要で、簡単に切り出すだけで使用可能。
- - 国産初のX線透過性:装着したままでのX線撮影が可能で、特に手術での利用効率が大幅に向上します。
- - 高屈曲性:複雑な曲面にも密着でき、ウェアラブルデバイスに期待される動きにも柔軟に対応。
このフィルムは、当社独自の銀/塩化銀インクを利用し、導電性カーボン配合のポリウレタンフィルムに非常に均一な厚みでコーティングされています。この工夫により、品質のばらつきを解消し、安定した導電性を実現しました。
Pertron® K-398X シリーズ
- - 自由設計が可能:スクリーン印刷により、任意の形状やサイズの電極を製造できます。
- - 用途別最適化:銀/塩化銀比率を状況に応じて調整し、短期間用から長期埋め込み用まで対応。
- - 精密測定に対応:一般的な銀ペーストやカーボンペーストでは難しい精密測定を可能にします。
このペーストの革新は、エポキシ樹脂バインダーを採用することで得た優れた接着性や、フィラー粒径の均一な制御が実現しています。さらには、印刷と電極特性の両立を成し遂げたのです。
ペルノックスの技術による驚きの改善
ペルノックスのフィルムとペーストは、それぞれの業界において次のような利点を提供します。
- - 国内初のフィルム電極:日本市場における海外製品の依存から脱却。
- - 納期の短縮:8週間から数週まで大幅に短縮し、安定した供給を実現。
- - 環境への配慮:フィルムにはPVC基材を使用せず、ペーストも環境適合性を向上しています。
これからの展望
現在、複数の大手メーカーにおいてペルノックス社の製品が評価されており、2026年には本格供給を開始する見込みです。この製品により、生体電極市場における日本の競争力を強化し、様々な医療現場やヘルスケア分野での利用が期待されています。
ペルノックスはこれらの技術を通じて、「お客様のあらゆる電極ニーズにワンストップで対応する」ことを目指しています。日本のバイオセンサ産業に新たな価値を提供する、そんな意欲が込められた製品たちです。
会社概要
ペルノックス株式会社の設立は1970年で、現在までの55年間にわたり、エポキシ、ポリウレタンおよびシリコーン系樹脂の開発と製造に従事しています。企業の目標は、革新的な材料を用いて次世代の電極技術を提供することです。
詳しい情報は、
ペルノックスの公式サイトをご覧ください。