Kitriが贈る特別な夜：5周年ライブ『Five years pieces』レポート

Kitri Live 2024 “Five years pieces” での特別な夜

2024年9月21日、京都教育文化センターで行われたKitriのワンマンライブ『Five years pieces』。この日はMonaとHinaの姉妹ユニットがメジャーデビューから5年を迎え、その道のりを振り返りつつ新たな音楽的表現を披露した特別な夜でした。イベントの主題である「5年前の作品」は、彼女たちがこの5年間で創り上げてきた楽曲やライブの集大成とも言える内容でした。

会場の設立は1964年、教育文化を促進するために設けられたこの施設は、その歴史を感じさせる趣のある場所です。地元・京都での公演に、Kitriのメンバーは感慨深いものを感じていたことでしょう。ロビーには関係者からの祝福の花が飾られ、期待感に包まれた雰囲気の中、ライブは始まりました。ステージには華やかに配置された楽器が並び、Kitriのサウンドに引き込まれる準備が整いました。

第一幕：Rouge

第一幕は“Rouge”をテーマにしてスタート。MonaとHinaの二人は赤いワンピースを身にまとい、グランドピアノの前でしっとりとした演奏を始めます。最初の曲は『Akari』。Monaのサウンドに声が重なり、Hinaのコープスがそのハーモニーを支えます。余韻が漂う中で、次々に繰り出される楽曲の数々が、観客の心をつかみました。特に印象的だったのは『水とシンフォニア』で、グリーグの『ペール・ギュント』も取り入れられたメロディーに、新しいアレンジが巧みに加えられていました。この幕では、2020年から2021年にかけてリリースされたアルバムを中心に披露されています。

第二幕：Noir

続く第二幕は“Noir”がテーマでした。MonaとHinaは黒い衣装に着替え、デジタルサウンドを取り入れた新しい挑戦を行いました。初めての未音源化の新曲が披露されると、その音楽性にオーディエンスは驚きを隠せませんでした。次に演奏された『ココロネ』では、TVアニメ『事情を知らない転校生がグイグイくる。』の楽曲が力強さと共に届けられました。このパートでは、曲間を繋ぐためにDJのようにサウンドを溜め込む技術が光ります。観客はその展開に魅了され、Kitriの新たな一面を確認することができました。

第三幕：Blanc

ライブのフィナーレを飾る第三幕は“Blanc”がテーマとなっていました。モダンなアプローチが加わり、観客の期待を超えるパフォーマンスが展開されます。『実りの唄』では、彼女たちの美しいコーラスと共に壮大なチェロの響きが心を打ちました。アンコールでは新曲『水槽のブランコ』が披露され、MonaとHinaの心温まるパフォーマンスにさらなる拍手が送られました。

ライブが終わると、Kitriはこの特別な時間を共にしたファンに感謝の意を示し、今後の展望についても話しました。彼女たちのメンバーは5周年という節目を迎え、さらなる挑戦をする意欲を見せました。

音楽は彼女たちの実力と可能性が見える類まれなる夜でした。Kitriの歴史は、彼女たちの音楽への情熱と共にこれからも続いて行くことでしょう。