マイナビが発表した2024年版ワークライフ・インテグレーション調査の結果
株式会社マイナビが、20歳から59歳の正社員を対象に実施した「正社員のワークライフ・インテグレーション調査2025年版(2024年実績)」の結果を発表しました。この調査は、仕事と私生活をいかに充実させることができるかを探り、特に「ワークライフ・インテグレーション」と呼ばれる、新しいライフスタイルの考え方について分析したものです。
ワークライフ・インテグレーションとは
ワークライフ・インテグレーション(WLI)とは、仕事とプライベートの両方をおろそかにせず、相互に利益を生み出すことを目指す新たなライフスタイルの提案です。従来の「ワーク・ライフ・バランス」が仕事と私生活を分けて考えるのに対し、WLIは双方を統合し、両者の充実を図ることを目的としています。
調査結果の概要
調査によると、正社員の約7割にあたる69.2%が自らの生活に仕事と私生活のつながりを感じていると回答しました。また、5人に1人以上にあたる20.9%が、ワークライフ・インテグレーションを実現できているとの認識を持っています。この数値は特に20代で高く、34%がその実現を感じているというデータもあります。
実現の要因と阻害要因
調査では、ワークライフ・インテグレーションを実現できている人からその理由を聞いたところ、「時間の柔軟性」や「在宅勤務の実施」が多く挙げられました。逆に、実現できていない要因としては「長い通勤時間」や「過重労働」が影響していることが分かりました。
仕事と私生活の満足度
ワークライフ・インテグレーションを実現できている人は、全体的に仕事もプライベートも満足度が高いことも調査結果で確認されました。具体的には、年間休日数が平均2.6日多く、残業時間も平均で2.9時間少ないという結果が得られました。年収も平均で64.9万円高いことが示されています。特に、WLIを実現できている人の53.5%が「仕事も私生活も満足」と回答している一方、実現できていない人ではわずか13.1%にとどまっています。
働くモチベーションとの関係
また、ワークライフ・インテグレーションを実現している人は、働くモチベーションも高いことが分かりました。調査では、モチベーションが「高い」とする人の割合は、WLIを実現できている人で55.6%、実現できていない人では11.9%という結果でした。また、職場の柔軟性についても、WLIを実現できている人の方が働く時間の柔軟性を感じている割合が高く、これらの条件がWLIの実現に影響を与えていることが示唆されます。
企業への提言
この調査結果は、ワークライフ・インテグレーションを実現することが、個人にとってだけでなく企業にとっても大きなメリットをもたらすことを示しています。企業は従業員が柔軟に働ける環境を整え、仕事と私生活の両方を充実させるよう支援することが望まれます。そうすることで、より高いモチベーションを引き出し、生産性向上に寄与することが期待されるでしょう。
調査の概要
この調査は、2024年11月15日から11月18日にかけて実施され、20歳から59歳の男女正社員3,000人からの有効回答を得ています。詳細な調査結果は、マイナビの公式サイトでも確認できます。これらの結果は、今後の働き方や職場環境の改善に向けた大きな指針となるでしょう。