2024年10月10日、リクルートが運営する『SUUMO』が主催する「百人百通りの住まい探し 100mo!」イベントが、東京都千代田区で開催されました。このイベントは、住宅確保要配慮者の実情を理解し、不動産業界の取り組みを活性化させることを目的にしています。今回で第2回目の開催となる同イベントでは、単なる不動産会社の枠を超え、居住支援に積極的に取り組む法人や地方自治体からも多くの参加者が集まりました。
表彰とディスカッションの内容
当日のプログラムには、居住支援に取り組む不動産会社やそのオーナーの表彰があり、参加者によるパネルディスカッションも行われました。表彰された3社には、実際にどのように居住支援を行っているのか、取り組みの背景や今後の展望について語ってもらい、他の参加者がその取り組みから学ぶ機会が提供されました。
特に注目されたのは、初めてオーナーを表彰対象にしたことです。リクルートは、住宅確保要配慮者への支援は不動産会社や団体だけでなく、実際に受け入れる側であるオーナーの理解と協力も不可欠であることを強調しています。この考え方を踏まえ、表彰には実際に支援を行っているオーナーが選ばれ、その取り組みの実態に基づく知見をさらに深めることができたのです。
新たな試み「車いすマット」の導入
また、イベントの会場では、リクルートが開発した「車いすマット」に関する体験ブースも設けられました。このマットは、物件の室内で使用し、車いすが通る道幅を確認できる仕組みになっています。この取り組みが普及することで、内見前に車いす使用者に適した物件を見つける手助けになり、多くの住宅探しに寄与することが期待されています。
表彰された取り組み
表彰された企業とその取り組み内容は次の通りです。
1.
株式会社ハウジングプラザ(東京都世田谷区) では、生活保護を受けている方々への物件紹介を専任の福祉事業部が行い、相談窓口を設置して月に数件の住宅相談を対応しています。
2.
株式会社日本エイジェント(愛媛県松山市) が運営する外国人向けのポータルサイト「wagaya Japan」は、多言語対応しており、生活に関する情報を母国語で提供することで、外国人入居者の受け入れをスムーズに進める手助けをしています。特に日本の生活習慣と文化の違いを事前に説明することで、理解促進に努めています。
3.
岡野不動産合同会社(三重県四日市市) の岡野傑さんは、自らの経験を活かし、高齢者や低所得者への居住支援をビジネスとして実施しています。地域の市民グループとも連携し、空き家を無料で貸し出す取り組みを進めています。
住まい探しにおける新たな展望
「百人百通りの住まい探し 100mo!」は、リクルートが掲げるミッション「百人百通りの住まいとの出会いを、もっと豊かに。」を実現するために、賃貸業界全体で取り組んでいるプロジェクトです。このイベントを通じて参加者同士が知見を共有し、連携を深めることで、より多くの人々が豊かな住まい探しの機会を得られることを目指しています。リクルートは、今後もこの取り組みを拡大し、社会課題として取り組むべき問題として位置付け、活動を続ける意向を示しています。