JOGMECが発表したLCO2船舶輸送の共通化ガイドライン
日本の二酸化炭素(CCS)回収・貯留技術の普及を進めるため、JOGMECは新たに「LCO2船舶輸送バリューチェーン共通化ガイドライン」を策定しました。このガイドラインは、2024年度より交付を開始し、CCS事業の効率的な推進を図ることを目的としています。
CCSとLCO2輸送の重要性
CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)は、気候変動対策の一環として注目されています。特に、CO2を排出する事業所から、適切な貯留地点まで安全に輸送することが重要です。このプロセスでは、海上輸送が有力な手段とされており、特に大容量の液化CO2(LCO2)を長距離輸送する技術の確立が求められています。
しかし、現状ではLCO2を輸送するための船舶技術が確立されていないため、各CCS事業者が個別に仕様を検討しています。これにより、輸送コストや安全性の確保が難しくなっています。そこで、JOGMECは協議会を設立し、これらの課題を解決するための具体的なガイドラインを作成することになりました。
協議会の設立と目的
新たに設立された「LCO2船舶輸送バリューチェーン共通化協議会」では、CCSに関連する32社と5団体が参加しています。この協議会の座長には、東京大学の名誉教授、尾崎雅彦氏が就任しました。
協議会の主な目的は、CO2の船舶輸送における仕様の共通化を図り、それにより輸送コストを低減し、CCS事業の長期的な発展を支援することです。具体的には、液化、一時貯蔵、荷役などの複数の工程にわたる一連の流れを効率化し、相互の接続を考慮することが必要です。
2024年度に策定されるガイドライン
この協議会では、2024年度に初版のガイドラインを策定し、CO2の船舶輸送を行うCCS事業者が参考にできるようにします。また、将来的な実効性の確保を目指し、ガイドラインの定期的な更新も検討されるとのことです。これにより、今後のCCS事業がよりスムーズに進むことが期待されています。
JOGMECはこの取り組みを通じて、二酸化炭素削減のための先進的な技術を確立し、持続可能な社会の実現に寄与する意向です。さまざまな企業や団体との連携を強化し、CCSが日本国内における重要な環境対策として位置付けられることを目指しています。
お問い合わせ
本ガイドラインに関するお申し込みは、JOGMECのCCS事業部へお問い合わせください。担当者の連絡先は以下の通りです:
今後、CCSによる持続可能な社会への転換がどのように進んでいくのか、注目が集まります。