フォーシーズンズホテルズ、2025年までに平飼い卵調達を目指す

フォーシーズンズホテルズ、平飼い卵の導入へ

フォーシーズンズホテルズアンドリゾーツは、2018年に北米や欧州のリゾートで、仕入れる卵を全て平飼い卵にする方針を発表しました。これに続き、アジア太平洋地域に属する日本の丸の内東京や京都でも、2025年までに同様の目標を設定しています。これは、同社が倫理的な取り組みを強化し、ホスピタリティ業界内での食材の質を向上させるための重要な一歩です。

この決定は、単に企業の責任感が表れたものだけでなく、国内外のホスピタリティ業界全体に大きなインパクトを与えることが期待されています。これまでの生産方式からケージなしで育てられた鶏による卵の調達へ移行することは、動物福祉の観点からも非常に重要な意味を持っていると言えるでしょう。

また、アメリカ国内でも2020年から2025年にかけて、平飼い卵に切り替える企業が300社以上に達しており、イギリス市場では平飼い卵の販売量がケージ飼いを上回るまでになっています。これは、平飼い卵の需要が急速に増加していることを示しています。フードサービス業界の大手、西洋フード・コンパスグループも2025年までに平飼い卵の調達に移行することを発表し、アジアの流通業界でも同様の動きが見られます。

しかし、日本の現状はどうでしょうか。現在、日本では97％以上の養鶏場で、雌鶏が狭いケージに閉じ込められており、そのスペースはB5用紙程度の広さしかありません。これは、大きなストレスを与え、成長や自然な行動を妨げる要因となっています。怪我をしても適切な治療を受けることなく、狭い環境に閉じ込められる雌鶏たちの状態は、動物福祉の観点から見ると非常に厳しいものです。

フォーシーズンズホテルズの平飼い卵導入は、ただの戦略的な選択にとどまらず、倫理的な観点からも強く支持されるべき決断です。これは、動物の福祉への配慮と、社会全体の意識を変えていくための重要なステップといえるでしょう。さらなる変化を促すために、この取り組みが他の企業や業界に波及していくことを期待します。