国交省のBIM活用推進で建設業界が変革。3次元モデルの重要性が増す時代に。

国交省のBIM宣言とベクトル・ジャパンの取り組み

国土交通省は、建設業界においてBIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）の原則化を進めています。この動きは2023年度から段階的に実施され、BIMの適用範囲が拡大されることが期待されています。これに先駆け、建設情報企業のベクトル・ジャパンがBIMを活用した設計から施工、維持管理に至るまでのモデル作成業務を開始しました。

BIM活用の利点とは？

BIMは、3次元モデルを用いることで建築物の設計や維持管理を可視化し、精度を高める技術です。ベクトル・ジャパンでは、Autodesk Revitを駆使して、建築および土木の構造設計を行っています。この3次元設計により、正確かつ迅速な作業が実現されています。3次元モデルを生成することで、設計段階での検証が容易になり、ミスの軽減や作業時間の短縮が可能になります。

さらに、BIMモデルには設計に関する貴重な情報が集約されるため、知識の継承にも大いに役立つのです。2022年3月からはBIMモデルから意匠図を直接書き出す業務も開始し、効率的な設計プロセスを確立しています。

既存構造物の復元が可能に

さらに、ベクトル・ジャパンでは点群データを用いた3次元モデルの作成も行っています。特に化学プラントや上下水道施設など、既存構造物の復元が必要な場合において、レーザースキャンによる点群データの取得は大変重要です。この技術は、半径200メートル以内を10mmの精度で読み取ることができ、これにより複雑に入り組んだ構造物のモデル化が可能となりました。

これにより、従来困難だった既設の配管や設備との整合性を取ることが容易になり、打合せや設計がスムーズに進むようになりました。実際に多くのお客様からも、この新たなニーズに対する高い関心が寄せられています。

未来のインフラストラクチャー

現在、インフラストラクチャーの3次元モデル化の必要性はますます高まっています。特に、点群データの容易な取り込みが可能になったことで、アクセスが難しかった橋梁や鉄塔、さらに複雑な構造物のモデル化が現実のものとなりました。これにより、維持管理体制や運用方針の策定がスムーズに行えるようになります。

BIMデータを資産として取り扱い、さらなる維持管理の向上を図るには、意匠、構造、設備の全体を見越した設計能力が求められます。ベクトル・ジャパンは、建築だけでなくすべてのインフラストラクチャーの3次元化を進め、人類社会の安全と進歩に寄与していく考えです。