ドクダミエキスの効果
2025-10-14 14:35:40

ドクダミエキスが示す歯肉炎抑制効果とその応用可能性

ドクダミエキスが示す歯肉炎抑制効果とその応用可能性



丸善製薬株式会社が広島大学と共同で行った研究により、ドクダミエキスの歯肉上皮細胞に対する炎症抑制効果が明らかになりました。この成果は、特に矯正歯科治療中の歯周炎予防に寄与する可能性があるとして期待を集めています。

研究の背景


最近の研究から、口腔の健康状態が全身に及ぼす影響が注目されています。生活習慣病のリスクとも関連し、日常的なオーラルケアがその予防において非常に重要であることが認識されています。特に矯正装置の装着によって、オーラルケアが難しくなる場合が多く、歯周炎のリスクが増加することも懸念されています。歯周炎は、歯周病菌によって引き起こされる慢性的な炎症性疾患であり、適切なケアがないと進行します。そのため、効果的な予防策が求められています。

ドクダミ(Houttuynia cordata)は伝統的に抗炎症作用を持つことで知られています。この研究では、ドクダミエキスが歯肉炎に対してどのように機能するのかを探求しました。

研究の概要


研究では、正常ヒト歯肉角化細胞(PGKs)に焦点を当てました。特に、炎症誘発物質であるインターロイキン-1β(IL-1β)を用いて、炎症性因子がどのように変化するかを分析しました。IL-1βを用いることで、炎症を引き起こすTNF-αやIL-8、ICAM-1の遺伝子発現とタンパク質産生が顕著に増加しました。

興味深いことに、IL-1βで炎症が引き起こされる前にドクダミエキスを添加した場合、これらの炎症性因子の産出は抑制されました。このことから、ドクダミエキスには炎症を抑える効果があることが示されました。

その意味と今後の展望


この研究結果は、ドクダミエキスが歯肉上皮細胞におけるIL-1βの誘発性炎症に対して抑制作用を示すことを強力に示唆しています。特に、IL-1βは矯正治療に伴う歯周炎の悪化に関与するため、ドクダミエキスの有用性が注目されています。今後、丸善製薬はこの知見を元に、歯周炎予防に特化したオーラルケア製品の開発を進めていく方針です。

さらに研究を続け、植物エキスの有効性を検討することで、口腔環境の改善に寄与する機能性原料の開発を期待されています。これにより、矯正治療や日常のオーラルケアの質を向上させることができるでしょう。

研究成果の発表


この研究は査読付きの論文誌「Dentistry Journal」に掲載され、2025年の「第84回日本矯正歯科学会学術大会」で研究成果のポスター発表も行われました。研究には、多くの専門家からの注目が寄せられ、今後の進展が期待されています。

丸善製薬は、口腔の健康維持に向けて引き続き革新を追求し、効果的な製品を提供することで、より多くの人々に健康を届けることを目指しています。


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会社情報

会社名
丸善製薬株式会社
住所
広島県尾道市向東町14703-10
電話番号
0848-44-2200

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