海外旅行での現金被害、2012年は152億円に達する驚愕の統計

日本人の海外旅行者における現金被害の実態

2012年に海外へ旅行した日本人の中で、約159万人が何らかのトラブルに遭遇したという驚くべき調査結果が発表されました。調査を行った株式会社トラベルジャーナルによると、海外旅行者のトラブルの中でも特に多かったのが「盗難・紛失」で、その内訳の約75%は私物の盗難や紛失に起因しています。

被害の詳細

驚くことに、2012年の海外旅行者約1849万人のうち、実に約159万人がトラブルを経験しており、これを他の年と比較することで、日本人旅行者がどれほど危険にさらされているか浮き彫りにしています。特に、現金に関する被害が際立っており、現金の盗難・紛失総額は推計152億円に達しました。この金額は、同年の振り込め詐欺の被害額155億円に匹敵し、海外旅行中の現金主義が日本人を狙った犯罪の温床になっていることが伺えます。

被害の傾向

調査によれば、盗難や紛失の中で「現金」が一番多く、被害全体の約35%を占めています。平均的には、一人当たり約3万5,000円の被害を受け、最高被害額は80万円にも及びました。さらに、旅行先での現金の携行額は一人当たり平均20万円となっており、総合すると年間で約800万円もの現金を持参した旅行者も存在します。

被害の発生時間

興味深いことに、現金の盗難・紛失は「昼間」に最も多く発生し、被害に遭った人の中でも約70%が「2～5人のグループ」で行動中だったとの結果が出ています。このことから、人が集まる場所での不注意や、グループでの油断がトラブルを誘発する要因となっていることが分かります。また、被害者の約40%が「スリ」という手口で被害に遭っており、一般的には「人ごみの中で遭遇する」というケースが多いようです。

被害の原因

過去5年間における被害率は約77%で、特に気を抜いていたという理由が最大の要因として挙げられており、「日本人は狙いやすい」と思われている点も不安要因です。この問題を解決するための対策として、現金の持ち歩きを減らし、カード決済の利用を増やすことが提唱されています。

「脱現金」の重要性

この調査から分かることは、具体的な対策として「必要最低限の現金だけを持ち歩く」「可能な限りカードを使用する」といったことが非常に重要であるという点です。実際、現金の盗難被害に遭った人の中で、50%以上が「それ以降は現金をできるだけ持ち歩かないようにした」と回答しており、カード利用を増やしたという声も報告されています。これは実際に、現金を扱う旅行者の方が平均被害額が高いことからも明らかです。