英国からの訪問で新たな遊び環境を模索
2025年11月4日、一般社団法人TOKYO PLAYの代表理事、嶋村仁志氏は、イギリスの「Playing Out」共同代表、アリス・ファーガソン氏を迎え、こども家庭庁を表敬訪問しました。この訪問は、日本における子どもの遊び環境の構築に向けた重要なステップとなりました。
遊び環境の現状と課題
訪問当日、こども家庭庁の安里課長と横田課長をはじめとする職員たちと共に、イギリスの子どもを取り巻く社会情勢や、地域の遊び場に関する取り組み『プレイストリート』について意見を交わしました。蘇る遊びの重要性を訴える中で、イギリスの取り組みがいかに地域社会の中で役立っているのか、視察を通して理解が深まりました。
嶋村氏が触れたのは、イギリスにおける子どもと遊びに関する政策の変遷と現在の情勢でした。続いてアリス・ファーガソン氏が、プレイストリートという概念がどのようにして地域住民の助けとなり、子どもたちに安全で楽しい遊びの場を提供しているのかを具体的に紹介しました。データに基づく意見交換では、国がいかに支援していくべきかが熱心に議論されました。
プレイストリートの効果と日本の取り組み
Playing Outが提唱するプレイストリートは、地域の住民が主体となり、道路を一時的に車両通行止めにすることで子どもたちに遊び場を提供する活動です。このモデルは、すでにイギリスの100以上の自治体で実現されており、1,600か所で統合されています。TOKYO PLAYも同様に「とうきょうご近所みちあそびプロジェクト」を通じて、市民ギャザリングを促進し、遊びや交流の場の構築に取り組んでいます。
2016年から始まったこのプロジェクトは、全国に広がり、201カ所で多世代交流や子育て支援を促進する活動が展開されています。これにより、地域の自治体や住民がお互いを支え合い、子どもたちの遊び環境がより充実したものへと進化しています。
今後の連携強化と展望
今回の訪問では、TOKYO PLAYとこども家庭庁の間で、今後の連携を強化する取り決めも行われました。緊密な協力体制を敷くことで、子どもたちがストレスなく安全に遊べる環境を日本中で実現するための知見やアイデアを共有し合うことを目指します。
アリス・ファーガソン氏の訪問は、国際的な視点から、日本の子どもたちに遊びの重要性を再認識させる機会でした。今後、この交流を重ねることで、さらに多くの地域でのプレイストリート活動が広がることが期待されます。子どもたちの未来を考えた環境づくりが進む中で、官民一体となった取り組みが、より良い社会を形成していくことが重要です。
一般社団法人TOKYO PLAYは、ホームページ上で今後の活動計画やイベント情報を公開しています。日本全国の子どもたちのために、官民が集結する姿勢が求められています。