多胎育児を支援する新たな業務提携が福岡で動き出す

2023年6月13日、政府は『こども未来戦略方針』案を発表し、少子化対策をより一層強化することを宣言しました。その中で特に注目すべきは福岡市での取り組みです。高島宗一郎市長は、子育て世帯の負担軽減を公約に掲げており、特に多胎育児に関する問題にも力を入れています。

多胎育児の現実と課題

多胎育児は子育ての中で特に困難なケースとして知られています。約70%の多胎児が低出生体重児として生まれることから、医療的ケアを要する場合が多く、育児にかかる負担はさらに増加します。また、出産後の母親は多くの精神的・時間的ストレスにさらされ、産後うつや育児放棄のリスクさえ高まることが指摘されています。実際、多胎家庭の虐待死亡数は単胎家庭の2.5倍から4倍に達しており、避け難い現実がそこにあります。

さらに、経済的な負担も無視できません。多胎育児では2倍またはそれ以上の養育費が必要になることが多く、同時に双子を預けられる保育園を見つけることすら困難です。これにより、多胎世帯は様々な意味で孤立しやすく、その支援策が急務となっています。

スタイルクリエイトとtatamamaの業務提携

そんな中、福岡市を拠点とするスタイルクリエイト株式会社と一般社団法人tatamamaが業務提携を結びました。この提携により、多胎育児中の親たちはtatamamaの公式LINEに登録することで、スタイルクリエイトが運営する託児付きコワーキング施設のサービスを割引価格で利用することができます。具体的には、双子の場合は1人分の費用で、三つ子の場合は2人分の料金で託児サービスが受けられるのです。

この新たな試みは、親たちにとって大きな助けとなるでしょう。外出する際に多胎児を連れて行く負担を軽減し、さらに子育ての合間に自由な時間を持てるようになります。たとえば、ランチや美容院に行く際に最大3時間まで子どもを預けられます。このようにして、親たちが自分の時間を持ちながら、仕事も続けやすくなります。

著名な代表者たちのメッセージ

スタイルクリエイトの代表取締役社長である麻生有花氏は、今回の提携が多胎育児の現状を聞く機会から生まれたことを強調し、双子の育児に苦しむ親たちへの支援の必要性を痛感したとコメントしています。自身も育児をしながら仕事をしてきたため、多胎育児を支えるための資源やコミュニティの重要性を理解しています。

一方、tatamamaの代表理事である牛島智絵氏は、双子の育児をする中での様々な困難を経験し、この業務提携が多胎世帯の支援に役立つと期待を寄せています。両者の連携は、今後さらに多胎育児の社会的理解を深め、より良い支援システムが形成されることが期待されます。