EXestとK-iTGがタッグを組んでガイドサービスのDXを推進
DX推進の背景
EXest株式会社(東京都品川区)と一般社団法人九州通訳・翻訳者・ガイド協会(K-iTG、福岡県福岡市)は、ガイドサービスの効率化を目指し共同で新たなシステムを開発しました。このシステムは、2024年9月9日から本格的に運用が開始される予定です。
訪日外国人旅行者が年々増加している中で、質の高いガイドの需要が高まっており、ガイド業界では受発注プロセスの効率化が求められていました。しかし従来の方法は、エリアやスケジュールに関係なく全てのガイドに一斉にメールで案内する手法が一般的で、開封率や返信率の低下という課題を抱えていました。
新システムの特徴
新しいシステムでは、ガイドの居住地、得意分野、希望する時給などの情報をデータベース化し、フィルタリング機能を活用して旅行者とガイドを効率的にマッチングさせます。これにより、以下の機能が実現されます。
1. ガイド情報のデータベース化
ガイドの専門性や経験を活かして、詳細なプロフィールを作成し、旅行者のニーズに最適なガイドを提案します。ガイド自身がプロフィールを簡単に更新でき、常に最新情報を維持できる点も魅力です。
2. 案件情報の一元管理機能
ガイドの案件進捗を可視化し、ガイディングまでのスケジュールや必要事項を簡単に管理できるため、重要な期日を見逃す危険性がありません。
3. 条件に合致したガイドへの案件案内
案件紹介が効率化され、必要な情報がガイドにピンポイントで届けられます。その結果、不要なメールや連絡が減少し、ガイドの応募率が向上します。
4. 旅行者とのチャット機能
旅行者に案内のメッセージを送信する際、あらかじめ用意されたフォームを利用するため、作業が簡便で、情報の漏れも防げます。事前打ち合わせやツアー後のフォローアップもスムーズに行えます。
5. 評価機能
ツアー終了後、旅行者からのレビューを直接受け取れるため、サービスの質を向上させるフィードバックが得られます。これによって、ガイド自身のスキルアップにもつながります。
ガイド産業への影響
この新システムの導入により、以下の成果が期待されています。
1.
応募率とマッチング率の向上:より適切な案件が届けられることで、ガイドが案件に積極的に応募するようになります。
2.
事務局の業務効率改善:管理業務が減少し、ガイドへのサポートなど本質に専念できるようになります。
3.
顧客満足度の向上:ニーズに合ったガイドとのマッチングが実現し、旅行者の期待に応えるサービスが提供されます。
4.
ガイドの収益向上:効率的な案件獲得による稼働率の改善が期待されます。
5.
データ分析による市場ニーズの把握:収集データを活用し、今後のサービス改善や新サービス開発の基盤となります。
未来への展望
EXestとK-iTGの連携は、日本のガイド産業をデジタルトランスフォーメーション(DX)する重要な一歩となるでしょう。今後は、全国の通訳案内士団体との連携を強化し、日本全国のガイド情報を網羅したデータベースの構築を目指します。この取り組みにより、日本のガイドサービスのクオリティが向上し、訪日外国人に対するおもてなしの質もさらに高まることが期待されます。