尿検査でメンタルケア
2021-02-01 15:00:08

新たな尿検査でメンタルストレスを定量化、精神疾患予防に期待

近年、精神疾患の増加が日本社会の大きな問題となっています。2014年には約392万人、2017年にはさらに約400万人が精神疾患に苦しむとされています。精神疾患はストレスを含む多様な要因が発症に関与しており、一度発症してしまうと完治が難しいという特性を持っています。特に統合失調症やうつ病などの主要な精神疾患は、経済的な損失も大きく、年間でそれぞれ約2兆8,000億円、約3兆円が失われているという報告もあります。

その一方で、精神疾患がどのように発症するのか、そのメカニズムは未だ不明な点が多く、症状が初期段階の時には気づかれないことが少なくありません。しかし、近年の研究によると、多くの精神疾患はARMS(At Risk Mental State)と呼ばれる段階を経て発症することが分かってきました。この段階でいかに早く適切な介入を行うかが、重症化を防ぎ、患者の回復への道を開くカギとなります。

この新しいプロジェクトとして、NKメディコ株式会社と株式会社RESVOは、メンタルストレスを定量化する尿検査サービスの開発に着手しました。特に注目すべきは彼らが持つ複数の特許です。特許第6737995号と第6817666号は、精神疾患発症危険状態の診断用バイオマーカーに関するものであり、これらを用いてストレスや精神的健康状態を客観的に評価できるようになります。

2015年に施行された「労働安全衛生法の一部を改正する法律」により、従業員50人以上の企業に対してストレスチェックの実施が義務化され、メンタルヘルスへの関心が高まる中で、客観的な指標を通じた評価の重要性が増しています。自己申告型の主観的評価だけではなく、科学的に裏付けられた測定方法が求められています。NKメディコは、RESVOが開発した革新的な技術をもとに、メンタルストレスの定量化を実現し、精神疾患の予防を目指しています。

NKメディコのこれは、重大疾患の発症リスクを早期に判定することを目的とした検査プログラムの一環です。この企業は、脳梗塞、心筋梗塞の発症リスクを測定する「LOX-index®」といった検査サービスを、日本各地2,500以上の医療機関に提供しており、予防医療に特化した事業展開を行っています。

同社の本社は東京都港区にあり、代表を務めるのは富永朋氏です。彼らのアプローチは、早期のリスク評価を可能にすると同時に、社会全体のメンタルヘルス向上に寄与することを目指しています。

RESVOについても触れておく必要があります。この会社は、精神疾患の解決を追求する研究開発型のベンチャー企業であり、尿中マーカーを用いた精神疾患の発症リスクの検知技術などを開発しています。本社は神奈川県川崎市にあり、代表を大西新氏が務めています。RESVOは、免疫由来の精神疾患の層別化を行うための血液マーカーの技術開発も進めており、その研究は精神疾患の治療薬開発にも関与しています。

このように、NKメディコとRESVOの取り組みは、メンタルヘルス評価の新しい基準を作る可能性を秘めています。今後の進展に期待が寄せられています。

会社情報

会社名
株式会社プリメディカ
住所
港区芝公園2丁目3-3 寺田ビル5階
電話番号
03-5776-1105

トピックス(ライフスタイル)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。