新たな乳がん治療薬トロデルビが国内販売開始
最近、ギリアド・サイエンシズ株式会社が新たな乳がん治療薬「トロデルビ(R)点滴静注用200mg」の販売を日本国内で始めたことが発表されました。この薬は、ホルモン受容体陰性(HR-)かつHER2陰性(通称トリプルネガティブ)の乳がん患者に対する新しい治療選択肢として期待されています。
トロデルビの特長
トロデルビは、化学療法歴のあるトリプルネガティブ乳がん患者向けに開発された抗体薬物複合体(ADC)です。この薬は、TROP-2というたんぱく質を標的にしており、がん細胞を効果的に攻撃します。今回の販売開始は、特に二以上の化学療法歴がある手術不能または再発乳がん患者に向けたものです。
海外での実績
トロデルビは、海外ではすでに50カ国以上で承認されており、その有効性や安全性が確立されています。具体的には、トロデルビは過去の治療と比べて無増悪生存期間(PFS)や全生存期間(OS)を有意に改善することが示されており、多くの患者にとって希望の光となっています。
日本での販売開始の背景
ギリアドの代表取締役社長、ケネット・ブライスティング氏は「トロデルビを日本の患者に提供できることを非常に喜ばしく思います。必要とされているすべての患者の手元に届くよう、今後も努力していきます」とコメントしています。これにより、日本でも新たな治療の選択肢が増えることが期待されています。
トロデルビ製品概要
- - 製品名: トロデルビ(R)点滴静注用200mg
- - 一般名: サシツズマブゴビテカン
- - 剤形: 注射剤(バイアル)
- - 効能または効果: 化学療法歴があるホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がん
- - 用法及び用量: 通常成人には、体重1kgあたり10mgを21日間のサイクルで点滴静注します。初回投与後、忍容性が良好であればその後のサイクルでは投与時間を短縮することも可能です。
ギリアド・サイエンシズの経歴
ギリアド・サイエンシズは、医療の革新を追求するバイオ医薬品企業で、特にHIVやがん、COVID-19などの疾患に対する治療法を開発してきました。35年以上の歴史を持ち、カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界中で事業を展開しています。
今後の展望
トロデルビの販売開始により、治療選択肢が限られていたトリプルネガティブ乳がん患者に新しい希望をもたらすことが期待されています。がん治療において一歩前進したこのニュースが、より多くの患者の生活向上に寄与することを願います。