artienceと免疫生物研究所がライフサイエンスでの提携を発表

画期的な提携、artienceと免疫生物研究所

2023年7月1日、artience株式会社と株式会社免疫生物研究所（IBL社）は、ライフサイエンス関連事業における協力体制に関する基本合意書を締結しました。この提携によって、両社の技術と知見を融合させ、高精度な試薬や体外診断薬の開発を目指します。

ライフサイエンス市場の拡大

ライフサイエンス市場は、バイオ医薬品の需要増加やパンデミックの影響により急成長しています。特に、体外診断薬の重要性が高まる中で、創薬スクリーニングや研究用試薬の需要は不断に進化しています。しかし、抗原抗体反応の精度向上や、生物由来原料の供給の不安定さといった課題も存在します。このような背景から、化学合成素材の応用が注目されています。

IBL社・artienceの特色

IBL社は40年以上の歴史を持つ抗体メーカーで、研究用試薬や体外診断薬の開発において国内トップクラスの実力を誇ります。同社は、特に抗体開発に関する高い技術力を有しており、最近では海外市場にも注力して売り上げを伸ばしています。

一方、artienceは1896年に設立された化学メーカーで、ファインケミカル素材の開発を行っています。特に、色材やポリマーに強みがあり、近赤外蛍光プローブや機能性ポリマーなどの体外診断薬用素材を提供しています。生物由来原料の特有の課題を低減できる合成ポリマーを有し、確かな市場実績を築いています。

提携の目的と期待

今回の提携においては、IBL社の抗体と試薬キットの技術と、artienceのポリマー素材及び化学合成技術を結び付けることで、抗体の品質向上や安定化を目指します。さらに、生物由来のタンパク質を必要としない体外診断薬の開発を行い、より高い精度と安定性を持った製品を市場に提供することを目指します。

この新しい合弁事業によって、両社は全世界に向けて独創的で高品質な製品の供給を実現することが期待されています。特に、心豊かに暮らすための課題解決を目指すartienceの理念に則り、疾病の早期発見や診断・治療の分野に貢献していくことが強調されています。