文化服装学院とRobloxが共創するデジタルファッションの未来
文化服装学院は、電通グループおよびRoblox Corporationと手を組み、2024年10月に「デジタルファッションプログラム」を開講しました。このプログラムは、デジタル環境と実際のファッションに関する専門知識を融合させ、次世代のデジタルファッションデザイナーを育成することを目的としています。最近、第一期生となる21名の卒業生が修了を迎え、その成果としてファッションショーが開催されました。
デジタルとリアルの融合
卒業生たちは、デジタルファッションをデザインする能力を身につけ、Robloxというゲームプラットフォーム上で制作したデジタルアイテムを、リアルなファッション作品として披露しました。デジタルファッションの特性を活かし、独自のファッション性を展開する彼らは、リアルとバーチャルの垣根を越えて新たな価値を創造しています。特に注目されたのは、卒業制作の一環として行われたファッションショーで、こちらはリアルなランウェイとデジタル空間の両方で展開されました。
ファッションショーでは、Roblox上で制作されたアイテムをリアルのランウェイで再現し、同時にギャラリーとしてデジタル空間の展示も行いました。この一連のイベントは、デジタルファッションの世界観を統合的に体験できる貴重な機会となりました。
Robloxに秘めた次世代デザインの可能性
本プログラムの学生は「マイブランド」をテーマにしたコレクションを制作し、Roblox特有の「Layered Clothing」技術を駆使して独自のスタイルを表現しました。この技術により、アバターが複数のアイテムを自由に組み合わせたり重ね着をすることが可能となり、デジタルファッションの新たな展開が期待されています。
さらに、Roblox Studioを利用して3Dデジタルファッションアイテムを作成し、学生たちはそれらを公開することができました。来場者は「文化服装学院Fashion Runway: 2025年卒業制作」に訪れ、作品を試着したり、投票したり、さらにはお気に入りのアイテムを購入することも可能です。このように、実践的なカリキュラムを通じて、学生たちはリアルなファッションの制作技術とデジタルファッションのデザイン技術を習得しました。
次世代デザイナーの展望
多くの卒業生は日本の大手アパレル企業への就職が決まり、他にも既に発表済みのバーチャルアイテムに続く新たなコレクションの準備を進めています。文化服装学院の学院長、相原幸子氏は、「未来のファッションブランドは、洋服の縫製とともに、デジタルのコード化も手掛ける必要がある」と語り、デジタルを駆使する時代の流れを指摘しました。
Robloxのファッション責任者であるWinnie Burke氏も、「東京は世界屈指のファッション都市であり、日本から世界に広がる新たなデジタルファッションの潮流に期待しています」と述べ、今後の活躍を楽しみにしているとのことです。
文化服装学院は、今後も次世代を担う学生に向けた学びの場を拡大し、彼らのキャリア支援を行いながら、世界に通用するデジタルファッションデザイナーの育成に引き続き注力していくとの決意を新たにしています。