金属3Dプリンタを活用した高機能フィルム製造の革新

近年、製造業においては短納期が求められています。特にフィルムやシートを生産する分野では、従来の製法では数ヶ月を要する金型の製作が大きな壁となっていました。しかし、アクスモールディング株式会社が開発した金属3Dプリント技術により、このプロセスは大きく変わることとなりました。

金属3Dプリンタによる製造革命

新技術により、金型の製作期間は3ヶ月からなんと1週間に短縮されました。金属3Dプリンタを使うことで、これまでなら高額で、長期に渡って納期が必要だった高機能フィルムの生産が、手軽に行えるようになります。特に、高性能フィルムの代表的な用途としては、スマートフォンやテレビの画面保護シート、またおにぎりや弁当などの食品包装フィルムなどがあります。

Tダイの機能とは

この金型の中でも特に重要なのが「Tダイ」です。これはプラスチック樹脂を押し出し、均一に薄く加工するための金型であり、高機能なフィルムやシートを作るために不可欠なツールです。Tダイを用いることで、非常に高精細なフィルムが実現可能となり、建材や断熱材としても使用されます。

短納期が求められる背景

変化の著しい市場において、短納期はビジネスの生命線となっています。厨房機器や生活必需品のフィルムも、短期間で納入されることが求められており、これまでの製法では扱えなかった試作品を気軽に作ることが可能になります。例えば、最近では高機能スニーカーのソールにも、高機能フィルムが用いられており、空気漏れを防いだり、最新オフィスビルの窓に使われる熱遮断フィルムなど、多岐にわたります。

超多層膜フィルムの実現

さらに、金属3Dプリンタを通じて実現可能になるのが、超多層膜フィルムの製作です。従来であれば、これを生産するには複数の金型が必要でしたが、3Dプリンタの技術がその手間を大幅に削減します。設計図をCADで描くだけで一体成型が可能になり、技術者が持つべき高度な技術も必要なくなるため、製造現場での技術の伝承問題にも解決策を提供します。

会社の概要

アクスモールディング株式会社は、2017年に代表取締役の横田新一郎によって設立された町工場のベンチャー企業です。本社は東京都大田区にあり、神奈川県秦野市にテクノセンターを構えています。特に「Tダイ」のオーダーメード設計・製造においては国内随一の技術を誇り、顧客のニーズに応じた柔軟な対応力を備えています。国内外の大手企業からも信頼を寄せられ、業界内では特に難しい案件を解決できる存在として知られています。尽きることのない逆風に立ち向かう中で、年商10億円を超え、日本の町工場の再興を目指して挑戦し続けています。