開発現場の葛藤と商品延期の舞台裏、口コミロボ™の真実

開発現場の葛藤と口コミロボ™の誕生

SaaS『口コミロボ™』の正式リリースが9月18日から9月30日に延期されました。これは単にスケジュールの遅延ではなく、開発チームが抱える重大な課題の結果です。私たちは日常的に、マーケティングのスキルを持たない店舗事業者が簡単に口コミを集められる環境を構築しようと奮闘しています。

本気の声

私たちの根底には、「本当に使いやすいものを届けたい」という情熱があります。そのためには、エンジニアたちと熱い議論をし、時には対立しながらも完璧を求めてきました。

喧嘩の理由

開発現場では、シンプルさと機能性のバランスが永遠のテーマでした。消費者と店舗が感じる「口コミを書くのが面倒」という問題を解決するために、私たちのシステムはQRコードを用いて簡単なアンケートを答えるだけで、自然な口コミ文を生成します。しかし、どこまでAIに任せるかが議論の焦点でした。

「数回のタップだけでAIが自動生成してくれるのが最も重要」と主張するエンジニアもいれば、「心のこもった口コミが必要だ」と反論する私もいました。どちらの意見も正しいのですが、どこまで妥協するかが非常に難しい問題でした。

衝撃の一言

私たちの開発が最も危険な水域に差し掛かったのは、ある60代の店主との面談でした。自信を持って彼に『口コミロボ™』を見せると、彼は困惑した顔で「ごめん、これ…私には使われへんな…」と呟きました。これが、開発チームへの衝撃波となったのです。私たちがどれだけ便利だと主張しても、実際の利用者が使えなければ意味がありません。

再出発

彼の言葉を受けて、私たちは「利用者が迷わず使えるレベル」のUIを目指し、根本から作り直す決意をしました。新たな開発目標として、「20代の若手経営者から60代の店主まで、誰もがマニュアルなしで使えるUX」を掲げました。これにより、私たちは再びゼロからのスタートを切ることにしました。

情熱と覚悟

プロダクトには、私自身が和菓子屋で働いていたときの原点が息づいています。本当に美味しいものだけに集中したい一方で、口コミを集めるための煩わしい業務に追われていました。その辛い経験を繰り返してほしくなかった。

あの店主の一言は、過去の自分への刃のように感じました。「中途半端な製品ではなく、心から使えるものを届ける」という覚悟が生まれました。この12日間の延期は、私たちの背水の陣です。